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ヴァレンタインから一週間
第7話  本当に有った怖い話?
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の中で出会うよりは、こうやって図書館のような場所。とっさの場合に対処しやすい空間に居た方が良い可能性も有る。

 ……などと、自分を偽る思考をいくら重ねても意味は有りませんか。本心は、もう少し彼女と話して見たかった。たった、それだけの事。

「それは、正しい日本語の表現では、暇って言うのよ」

 彼女がそう教えてくれた。いや、多分、俺が日本語に不自由な外国人だとは思っているとは思えないので、教えてくれた、と言う表現は適切では有りませんか。

 それに、実際の話、忙しいのは事実です。この異常事態がラゴウ星に起因する事件で有るのならば、これから一週間以内にラゴウ星をどうにかしなければ、巨大彗星の激突により世界は滅ぶ可能性が有ります。
 そう。俺と、おそらく長門有希と言う少女に残された期限は一週間。決戦は木曜日の夜。

 伝承に残された通りの事態が進行中ならば……。

「じゃあ、あたしがもし暇だったら、明日も付き合ってあげるわ。感謝しなさい」

 酷く上から目線の、しかし、彼女に相応しい台詞で、そう告げて来る不思議な少女。
 しかし、俺の何処に、彼女の興味を引く不思議が存在していたのかは判らないのですが。

 彼女には、魂の本質を見抜く見鬼の才が有ると言うのなら……。いや、もし、彼女にそこまでの見鬼の才が有ったのなら、俺は危険な存在だと見抜く事が出来るはずですか。

「そうか。それやったら、アテにせんと待っているわ」

 そう言ってから、今度こそ本当に、手の平をひらひらと軽薄そうに振って別れの挨拶とする俺。もっとも、これで明日も、ここに来て座っている必要が出来たのですが……。
 それも自業自得。因果応報と言う事ですか。



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