第7話 本当に有った怖い話?
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はずの御方でしたから。
俺の口にした、少しシャレにならない事情を信用したのか、不思議な事を探し続けると宣言した、俺に取っては、その彼女の存在自体が一番不思議な少女が少し陰に近い気を発して居る。
う〜む。そんな心算は無かったのですが、少し話題がディープ過ぎましたか。
それならば……。
「姉ちゃんやって大したモンなんやで。何せ、こんだけ仰山、人間が居る中で、たった一人。たった一人だけ、俺の異常性に気が付いて話し掛けて来た。その能力は大したモンや」
多分、彼女自身の不思議を嗅ぎつける嗅覚は、異常に高い存在なのでしょう。
但し、彼女の頭の中の常識が邪魔をして、不思議を不思議と理解していないだけ。それに、有る程度の現象ならば常識的な理由の付けようも有りますから。
まして霊的な加護の高い人間は、異界からの侵食に対して気が付かないと言う対処方法で、無意識の内に危機を回避する方法を持っているものですから。
そう。程度の低い浸食ならば、気が付かない事に因って危険。つまり、浸食して来る側からその人間が気付かれない事により、難を逃れる事が可能ですから。
先ほどの俺の話に登場した、俺以外の登場人物たちのように……。
「あんた、名前は」
不思議な美少女がそう聞いて来た。それに、これは当然の質問。むしろ、初見の相手の名前も知らずに、ここまで話し込める人間の方が珍しいでしょうから。
しかし……。
「……鈴木一郎」
俺が思い付きの偽名丸出しの答えを返した。但し、俺の打法は、基本はスタンダードなタイプ。調子が落ちて来ると、かなりオープンスタンスに近く成って来て、さらに踏み込んで行く際に、アウトステップを……。
いや、ここで俺の打法が、スタンダードだろうが、一本足だろうが大して意味は有りませんでしたか。
「あんた、あたしを馬鹿にしているの!」
俺が思考だけを何処か遠い球場に飛ばしていた事に気付きもせずに、不思議な美少女は少し怒ったような雰囲気でツッコミを入れて来る。
もっとも、これは良い間合いだと思いますね。こう言う微妙な会話のキャチボールから、お互いの人間関係と言うのは築かれるのだと思いますから。
「なんや、気に入らんのかいな。それやったら、インコグニート。
あ、いや、ネフェルティティの方が俺に似合っているかな」
調子に乗って、ボケを連発する俺。それにしても、このやり取り。何故か、微妙に記憶を刺激するのですが……。
まるで、以前にも何回か同じような事を繰り返した事が有るような気が……。
「匿名希望に、遠来からの美女。あんた、マトモに答える心算はないの!」
そんな俺のボケに対して、律儀にツッコミを返して来る不思
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