第7話 本当に有った怖い話?
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の少し先に、切ると祟りが有る一本松が存在しているとか言う、曰くつきの場所の話では有ったけど……。
そして、俺は、更に続ける。
「美人の姉ちゃんが、今までに不思議な事件に巻き込まれた事が無い、と、悔しがっているのかも知れへんな。
せやけど、ホンマにそうやろうか。
実は、とびっきりの厄介事に巻き込まれては居るんやけど、ただ、姉ちゃん自身が気付いていないだけ、の可能性について、考えた事は有りますかいな」
俺は、ここで肺に残った空気を吐き出し、少しの余韻を持たせるようにしてから更に続けた。
「俺の周りを歩いていた他の通行人は、その真冬に半袖の小学校の制服を着て用水路を覗き込む少女を、別に不思議な存在とは認識していなかった。
せやけど、その場で俺は、その少女の異常性に気が付いた。
せやから、彼女も俺の存在に気が付いて、俺と少女は見つめ合う事となった」
ただ、多分、これは非常に危険な行為だと思います。相手の質が悪かったら、俺はその女の子を連れて来て仕舞ったかも知れない行為ですから。
もっとも、余りにもリアルに見えていたから、その時には、その女の子が、それほど不思議な存在だと判る訳はなかったのですが。
まして、当時の俺に見鬼の才は有ったけど、それを完全に制御する方法は流石に有りませんでしたから。
「そう言えば、こう言う出来事も有ったな。これは、もしかすると現在進行形の事件の可能性も有るけどね」
これは数年前の夏の事や。
その年の夏は、何の因果か、無理矢理に山登りに付き合わされて、もう不満たらたら。
本来、俺はクーラーの効いた部屋でゆっくり読書、と言う人間やからな。
ちなみに冬は、暖房の聞いた部屋……ストーブに乗っけたヤカンの御湯が湧く音と、傍らに置いたラジオから流れて来る音楽を耳にしながら、読書をするのが好き……。
……って、そんな事は聞いていないって?
そうですか。それは、少し残念です。
それで。その年はなにやら、雨が異常に少なかったらしくて、その登山をしていた間中、落石注意とか言う放送を耳にしていたんやけど……。
まぁ、実際に、その落石事故に出会って仕舞ったのよね。シャレにならないけど。
偶々、後ろを向いて、下の景色を見ていた瞬間に、他の登山客が何かを叫んでくれた。
その声に驚いて振り返った俺の瞳に映ったのは……。
そうやな。大体、俺のアタマ位の大きさのヤツ……俺が確認出来たのがふたつ。後は、ソイツに合わせて小さいのがバラバラと一団となって、俺に向かって落ちて来よったんや。
もっとも、俺の反射神経なら、落ちて来る岩を確認出来たなら、ソイツを回避する事は難しくは無かったんやけどね。
何せ、当時はテニスをちゃんとやっていたし
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