第一部第四章 若き獅子その一
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いな。あれでは全身毛だらけだろう」
一部の若い女の子が聞いたら幻滅しそうな言葉である。だが今この場には彼のファンはいなかった。
「まあその話はこれ位にして」
マールボロは話を変えてきた。
「君に頼みたい仕事があるのだが」
「何でしょうか?」
モンサルヴァートは表情を変えた。
「アガデス連邦についてどう思うかね」
アガデス連邦とはサハラ北方にある国の一つである。エウロパの進出に反対する強硬派である。
「アガデスですか」
モンサルヴァートの蒼い目が光った。
「今彼等は大統領派と首相派に分裂しております。好機かと思います」
彼はそう言った。
「そうだな。ではそこにつけ入るか」
「そうすべきかと」
「よし、では早速手を打とう」
それから暫く後でアガデスにおいて内乱が勃発した。首相派が突如としてクーデターを起こし大統領と彼を支持する者達との間で武力衝突を起こしたのである。
彼等は確かに仲違いしていた。しかし武力衝突する程のものではなかったのにである。
ことの発端は些細なことであった。首相と仲の良い軍の高官の一人を何者かが銃撃したのだ。
銃弾は逸れた。だがそこに残っていたのは大統領直属である特殊部隊の使用する特殊な拳銃から放たれるビームの後であったのだ。
これに首相と彼の近辺は激昂した。このままでは自分達の命も危ないと危惧もした。そして彼等はすぐに行動に移したのである。
内乱はアガデス各地で起こった。とりわけ首都での騒乱は凄まじいものであった。アガデスは大混乱に陥った。
ここでエウロパが動いた。彼等はアガデスにいるエウロパ市民の保護を口実に軍を派遣してきた。そしてそれに抗議するアガデス大統領に対し一方的に宣戦を布告した。そしてモンサルヴァート率いる艦隊がアガデス領内に入って来た。
これに驚いたのは大統領である。首相とも争っているのにもう一つ敵が増えたのだから。
彼は首相と手打ちをしようとした。だがそれより前に首相は急死した。夜青い色をしたコーヒーを飲んだら急に胸を押さえて倒れたのである。
首相派はリーダーを失い瓦解寸前になった。エウロパは彼等を瞬く間に掃討し武装を解除させた。これで残るは大統領だけとなった。
大統領は首都にて徹底抗戦を叫んだ。そして首都のすぐ側にまで進撃していたモンサルヴァートの艦隊に対して決戦を挑んできた。
「ほう、来たな」
モンサルヴァートは旗艦リェンツイの艦橋でアガデス軍を見て言った。
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