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ヴァレンタインから一週間
第6話  謎の美少女登場?
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、冷たい、そして、故に新鮮な、と感じる事が出来る大気を吸い込んだ後、

「少し、友達使いが荒いけど、出来る事なら、長門さんには手伝って欲しい」

 ……と、長門に対して右手を差し出しながら告げた。

 その瞬間、彼女から発生したのは……躊躇い?
 少しの逡巡。しかし、それは躊躇いと言うよりも、軽い驚き。
 そして、


☆★☆★☆


 ……そうして、昼食タイムを挟んだ後に、この街の中央図書館と言う図書館にやって来たのですが。

【人魚姫しかヒントがないのでは、正直、完全に手詰まりか】

 俺の愚痴に等しい【念話】に、長門が答えに成っていない【念話】を返して来る。



 尚、この【念話】と言うのは、テレパシー。精神感応などに分類される能力で、心の声を直接、霊道で繋がった相手に送る事が出来る能力の事です。
 つまり、長門と契約を交わして、彼女へと霊力を送り込む霊道を開いた事に因って、彼女との【念話】のチャンネルを開く事が可能と成ったと言う事ですね。

 もっとも、相手に有る程度の感応能力が存在して居るのならば、例え霊道が通じては居なくとも通じさせる事は難しくはないのですが。



 まして、関係が有りそうな豊玉姫や乙姫に関しては、どうしても有名な話の方に引っ張られるので……。
 少し愚痴に近い思考をウダウダと連ねる俺。正直に言うと、既に地味な調査と言う方法に飽きが来ていた、と言う事の方が正しいですか。

 ただ、この部分に関しては、仕方がない面も有るのですが。
 何故ならば、日本の伝承や昔話は、古事記や日本書紀。風土記などに詳しく分類されていて、それ以外の伝承となると真偽の程のはっきりしない、怪しげな文書の内容に頼るしか無くなりますから。
 その中から、人魚姫。そして、封じられた可能性の高い恵比須神。豊玉姫や乙姫に関係していて、更にここ西宮に関係した物語や伝承を見付け出すのは流石に……。

 ただ、たったひとつ。俺が知らない伝承がひとつだけ出て来たのですが……。
 但し、飽くまでも俺が知らなかっただけで、この世界独自の伝承とは限った訳ではないのですが。

「あんた。さっきから見ていたけど、一体、何を調べているのよ」

 図書館に設えられた、あまり座り心地の良いとは言えない椅子に腰かけ、西宮近辺の伝承を集めたかなり分厚い書籍に目を通していた俺に対して、頭の上から非常に不躾な質問が投げつけられた。
 ……どう考えても、図書館内で掛けられる声とは思えない大きな声で。

 若い女性の声。しかし、俺自身がそんなに目立った動きをした覚えもないですし、ましてや絶世の美少年と言う人間でもないので、女の子の方から声を掛けられるような人間ではないと思うのですが。

 生まれてこの方、逆ナ
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