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ヴァレンタインから一週間
第6話  謎の美少女登場?
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が徳島からここ西宮にまで飛ばされて来た可能性もゼロでは有りませんが、それでも、その場合は次元移動まで行っている事態の説明が出来ません。
 まして、俺の知って居る連中と良く似た存在たちが居る世界なら、現状では所詮は地仙レベルの俺をわざわざ次元移動などさせずとも、もっと能力の高い存在たちが居ると思うのですが……。

 それに、この眼前の長門有希と言う少女型の人工生命体を造り上げた存在も、この世界には居るはずですから。
 地仙レベルでも、確かにそれなりの使役獣や乗騎を創り出す事は可能なのですが、完全に人と同じ心を宿らせる事は流石に難しい事です。彼女に偶然、魂が宿った訳では無く、意図して魂を宿らせたとしたのなら、彼女を創り上げた存在は天仙クラスの存在。神にも等しい能力を持っていると考えた方が良いはずですから。

「それでは、現在、何が起こりつつ有るのか調べる手段はない?」

 微妙な雰囲気でそう聞いて来る長門。完全に未来を諦めたと言う陰気に包まれている訳では無い、微かな希望に等しい陽気を発して居る雰囲気。
 彼女は未だ諦めてはいない、と言う事ですか。

「ない事もない」

 それに、早々諦める訳にも行かないでしょう。俺は、この世界の人間では有りません。つまり、何時かは帰らなければならない、と言う事です。
 そして、俺の次元移動と、この土地神を封じた存在が起こしつつ有る事態に某かの関連が有る限りは、無視する事は出来ませんからね。

「真っ先に土地神を封じたと言う事は、この地の伝承に残っている存在の可能性も有る。
 但し、それだけでは相手を特定する事は難しい」

 そして、その部分が、俺が土地神たちは倒されて冥府に送り込まれた訳では無く、封じられたと考えている根拠でも有ります。
 もし、土地神たちが倒されたのならば、冥府を司る存在から神界か仙界に連絡が行き、それなりの名の有る神仙が送り込まれる可能性が高く成ります。
 最初に、土地神をどうにかしようとするような狡猾な存在が、わざわざ土地神よりも強力な敵を招き寄せるようなウカツなマネは為さないでしょう。
 逆に、土地神を封じられたのなら、神界や仙界がその事実に気付くには、それなりの時間を必要とします。その間に、事態が手遅れとなる可能性は大きく成りますから。

 まして、神界や仙界が人間界に過度に干渉する事は、後にどのような害を及ぼすか判りません。故に双方とも慎重に事を運ぼうとするはずですから、手遅れとなる可能性は更に高まります。

「この西宮の地は古い町。京からの距離も近いし、東西の交通の要所でも有る。
 つまり、関係が有りそうな伝承も多すぎて、俺一人で特定する事は難しい」

 其処まで告げてから、俺はゆっくりと肺に残った空気を吐き出す。
 そして、真冬に相応しい
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