プロローグ
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今までと違う。」
「拝見させてもらいましょう。」
藤堂長官が沖田提督に極秘と書かれた資料を手渡す。
「ふむ、超巨大艦に戦艦以上の装甲を施し武装は・・・ショックカノン!」
沖田提督が驚く。
「ああ、そうだ。」
「地上で開発中とは聞いていたが。」
ショックカノン、従来の荷電粒子砲では敵艦の装甲を貫通出来ないため開発された新型砲なのだが、発射に巨大なエネルギーが必要なため沖田提督の乗る『えいゆう』でも搭載が見限られた兵装である。
「機関部に大型対消滅エンジンを一基搭載しさらに小型の対消滅エンジンを二基搭載、これならショックカノンでも搭載可能でしょう。」
沖田提督も納得したような顔を見せる、が。
「これなら今までと大して変わりませんな。」
沖田提督が机に資料をおきながら言う。
「・・・少し待ちたまえ。」
藤堂長官が立ち上がり金庫からさらに資料を持ってくる。
「拝見します。」
手渡された資料を読む沖田提督だがだんだん顔の色が変わり、ぽつりと言う。
「・・・新型機関ですか。」
「敵艦に使われていたエンジンのデッドコピーだ。」
「この出力でデッドコピーですか!」
その資料には従来艦の対消滅エンジンが子供騙しに思えるような出力が記載されていた。
「このような出力のエンジン、よく隠しとうせましたな。」
「その数値は計算上だ。」
「・・・本当にこれほどの出力が出せるのですか?」
沖田提督が怪しむ。
「確かに計算上だが、それに近い数値が出るはずだ。」
「実際にはいつ動かすのですか?」
「来週だ。」
「なるほど」
沖田提督が納得した顔を見せた。
「この新型機関を動かす時に敵の目を他に向けさせる、それが我が艦隊に課せられた使命ですか。」
「・・・済まない。」
藤堂長官が顔を下げる。
「藤堂中将。」
「何かね?」
声をかけられ再び顔を上げる。
「国連残存艦隊は冥王星の敵基地破壊作戦に出撃します!」
「頼んだぞ、沖田少将。」
時に西暦2199年5月10日日本時間午後2時46分、地球最後の艦隊の出撃が決定された。
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