プロローグ
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――西暦2199年5月10日――
西暦2199年、地球は今最後の時を迎えようとしていた。
8年前人類は歴史上初めて地球外知的生命体と接触。
友好関係を望んだ人類に対し彼らは一方的に戦争行為におよんだ。
21世紀の物理学者が唱えた警鐘が今、現実のものとなったのだ。
地球に侵略の手を伸ばす謎の異星人、『ガミラス』。
西暦2192年、地球に向けて灼熱に燃える巨大な岩石が地球へ向けて落下を始めた。
それは自然の物ではなく、地球生命の絶滅という意図を持った『ガミラス』から遊星爆弾による攻撃であった。
冥王星から撃ち込まれる遊星爆弾のため大気は汚染され、山からは緑が消え、青かった海は消えて荒涼とした赤い土地に変わり多くの生命が死に至った。
そしてついに地上から生命の灯火が消えたかに見えた。
だが、赤く乾いた地球でなお人々は地下に都市を築き上げ移り住み必死に生き延びながら、ガミラスへの抵抗を続けていたのである。
しかし、遊星爆弾による汚染の影響は地球全土に広がり、地下をも確実に犯し始めていたのだ。
――地球 国連軍司令部 司令室――
司令室に初老の男性が入ってくる。
「何か用ですかな、藤堂長官。」
藤堂長官と呼ばれたこちらもまた初老の男性が資料から目を離しながら答える。
「沖田君か、よく来た。」
着席を進められ座ると藤堂長官が話しだす。
「さて、君を呼び出したのは他でも無い、出撃だ。」
「敵の艦隊を迎撃ですか?」
首を振りながら答える。
「冥王星だ。」
「冥王星ですか。」
「ああ。」
太陽系第9惑星冥王星、そこには敵の前進基地が築かれ、そこから地球は遊星爆弾により情け容赦のない攻撃に曝されていた。
「作戦の意図をお聞きしたい。」
「遊星爆弾の発射基地の殲滅だ。」
「そのような表面上の理由ではありません!」
沖田提督が声を荒げる。
「分かっている筈です、冥王星に行った艦隊のその後を。」
「・・・。」
これまで何度か国連艦隊は冥王星の敵基地殲滅に乗り出していた。
しかし、そのどれもが文字道理の意味で殲滅させられていた。
「A−140号が最終段階を迎えた。」
「地球最後の人類脱出船ですか。」
人類は種の保存のため選ばれた人間を太陽系外に脱出させていた。
「宇宙に上がるのはいつ振りでしたかな?」
「A−127号以来だ。」
敵の定期便により脱出船A−128号以降は地上で撃破されていた。
「なるほど、敵艦隊を誘い出し敵が艦隊を冥王星に引き上げている間に脱出船を発進させようという訳ですか。」
「・・・。」
「今度は太陽系脱出まで持ちますかな。」
宇宙に出られた脱出船もその殆どが天王星軌道以降で敵と戦い通信を絶った。
「A−140号は
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