第一幕その一
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黒いスペイン風の服だった。ズボンに服、そしてブーツとカラー。ただしそのカラーも白ではなく黒だ。帽子も黒であり何もかもが漆黒だ。陰気な顔をしており顔色は蒼い。蒼白だった。暗い黒い目をしており髪も同じ色だ。大柄であるが幽鬼の様に見える。不気味な男であった。
男は岩場に降り立つと。まずはこう呟いた。
「期限は切れた」
まずはこう。
「幾度めかにまた七年が過ぎた」
時間が言われた。
「如何にも飽きたというように海は私を陸に置く。だが高慢な海よ、御前はすぐに私を呼ぶ。そんな具合に御前の反抗は強靭だが私の苦しみは永久だ」
こう述べていく。
「私が陸に探し求める幸せを私は決して見出しはできぬだろう。世界の海のあらゆる潮よ、私は御前と運命を共にする。世界の波が全て砕け最後の水が渇くまで私は御前と共にある」
言葉を続けていく。
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