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星河の覇皇
第一部第三章 海賊征伐その三
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が下る。艦隊は周りを手当たり次第に撃つ。そして光の爆発が辺りを包む。
 敵軍は混乱状態に陥った。今まで戦いを有利に進めていたのが嘘の様であった。
 それは前線においてもそうであった。自らの後方が混乱状態にあるのを知り彼等は浮き足立った。
「アッディーン准将、上手くやりましたな」
 参謀の一人が混乱する敵艦隊を見て言った。
「ああ。またやってくれたな」
 アジュラーンはそれに対して答えた。
「よし、今こそ勝機だ。一気に攻勢に転ずるぞ!」
 彼は全軍に対して指示を出した。
「全軍総攻撃だ!」
 オムダーマン軍は一気の攻勢に転じた。まずは浮き足立っていたミドハド軍の航宙機部隊が餌食になった。
「さっきまでよくもやってくれたな!」
 彼等はオムダーマン軍の航宙機と砲座の集中攻撃により次々と撃ち落とされていった。そして次はその母艦である空母、そしてやがて敵中央にまで進んでいく。
 それと呼応してアッディーンの艦隊も行動を速めた。一度敵艦隊を突き抜け再び後方に出る。
 今度は敵第二艦隊司令部に襲い掛かった。下からミサイルを浴びせる。
「いかん、かわせ!」
 第二艦隊の司令官は必死に命令する。だが間に合わなかった。彼は乗艦と運命を共にした。
 戦いは何時しか一方的なものとなっていた。ミドハド軍の艦艇は次々に沈められオムダーマン軍は敵軍を所々で寸断し各個撃破していった。
 やがてミドハド軍は壊走を開始した。皆それぞれ散り散りとなり戦場を離脱する。
「追いますか」
 それを見た参謀の一人がアジュラーンに対して問うた。
「当然だ。この際徹底的に叩いておく」
 彼は答えた。そしてそれがミドハド軍に止めを刺した。
 ミドハド軍は尚も攻撃を受け続けた。そして戦場に残るのはオムダーマン軍だけとなった。
 こうして戦いは終わった。劣勢にあったオムダーマン軍の知略による大勝利であった。
 参加戦力はオムダーマン軍百万、艦艇一万隻、ミドハド軍二百万、艦艇二万隻であった。損害はオムダーマン軍が一割強であったのに対してミドハド軍のそれは三割を越えていた。しかも両艦隊の司令まで戦死するという致命的なものであった。
 すぐに両国の間で停戦交渉が開始された。これによりオムダーマンは二つの星系の割譲とミドハドからの多額の賠償金を手に入れた。そしてそれにより小勢力二ヶ国がオムダーマンに帰順を申し出て来たのだ。これによりオムダーマンは西方で第二の勢力となった。
「とりあえずはいいことづくめだな。やはり勝利というのは気持ちがいい」
 アッディーンはムラーフと共に司令室に向かいながら上機嫌で話している。
「ですね。これで我々は西方で第二の勢力となりましたし」
 ムラーフも機嫌がいい。
「そうだな。あとは今回の勝利と得たものをどう生かすかだ」
「それ
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