第一幕その七
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だ」
「何もかも忘れて。誇りも誓いも。そうして」
ここからが。ノルマの真の怒りであった。
「子供達でさえも!」
「くっ・・・・・・」
子供という言葉を出されてはさしものポリオーネも怯んだ。しかしノルマはさらに言うのであった。彼女の怒りはさらに増す。
「私の怒りに呪われ貴方の罪深い愛には幸福は決して訪れはしない」
「そんな・・・・・・」
「ローマにいようがエジプトにいようが私の憎しみがつきまとう。夜も昼もそれが襲うだろう」
「そうしたのは憎んでくれ」
ポリオーネはそれを受けるしかなかった。彼は逃げなかった。
「御前の幻が僕を永遠に苦しめるのならば。それでいい」
「開き直ったというの?」
「違う。今僕を占めている愛はそこまで大きいのだ」
「今何と」
「聞くのだノルマ」
ポリオーネも引かない。
「僕達の愛よりも大きい。どんな神だってここまで苦しめはしない」
「そこまで言うというの」
「そうだ。僕は呪う」
今度は彼が呪いという言葉を口にしてみせた。
「御前に巡り会ったことを。僕は呪おう」
「そこまで言うのならいいわ」
ノルマもそれを受けて立つ。ポリオーネにその右腕を突き付けて宣言する。まるで怒りの女神がそれを叩き付けるかのように。
「この私の怒りを。受けなさい!」
「ああ、ノルマ」
アダルジーザはノルマのその怒りを見て嘆く。
「私はどうすれば」
彼女にはどうしていいかわからない。最早彼女ではどうすることもできなかった。ノルマは激しい怒りをポリオーネに突きつけポリオーネもそれを正面から受ける。夜空は激しく荒れようとしており月は荒雲の中にその姿を消してしまっていた。
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