第一幕その六
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「貴女の愛する方ですけれど」
「あの方のことですか」
「それは誰なのかしら」
優しい目でアダルジーザに問うていた。
「よかったら。教えてくれるかしら」
「それが」
「誰なの?」
「ガリアの方ではないのです」
「ガリアではない」
ここでもノルマは自分と同じものを感じた。しかし今のアダルジーザの告白でまた心が急に不吉なものに覆われていくのも感じていた。
「では一体」
「それは・・・・・・」
ここで。また誰かが来た。
「!?貴方は」
ノルマとアダルジーザは彼の姿を見て同時に声をあげたのだった。
「どうしてここに」
「この方です」
ここで二人の言葉は別れた。
「この方こそが私の」
「何ということ」
その言葉はこれまでになくノルマを打ちのめした。顔が瞬く間に強張る。
「まさかこんな」
「アダルジーザ、どうして」
そのポリオーネもまた言うのだった。同じく強張った顔で。
「どうしてここに来たのだ。よりによって」
「怯えているのね」
ノルマはそのポリオーネをきっと見据えて言うのだった。
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