第一幕その五
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子供達のことを忘れて。それは」
「そのようなことは」
「考えるだけでも恐ろしいこと」
そう、考えるだけでノルマの顔が蒼ざめてしまった。
「だから。子供達を今は私の目の届かないところへ、御願いだから」
「わかりました。それでは」
「ええ」
ノルマは子供達の頬にキスをしてクロチルデに預けた。そうして家の外に一人でその蒼ざめた顔でたたずんでいた。そこに誰かが来た。それは。
「アダルジーザね」
「はい」
アダルジーザもまた蒼ざめた顔をしていた。その顔でノルマの前に姿を現わしたのであった。
「どうしたの。そんなに暗い顔をして」
「実は。悩みがありまして」
「悩み。何かしら」
「貴女だけが頼りなのです」
ノルマの前に来てその蒼ざめた顔での言葉だった。
「その御心にすがりたく。こちらに参りました」
「何なのかしら」
ノルマはアダルジーザのその言葉を聞くことにした。
「よかったら話してくれるかしら」
「はい。それでは」
アダルジーザはノルマの優しい言葉を受けて。ようやく話すのであった。
「実は私は」
「貴女は」
「この国を。ガリアの地を離れようと考えているのです」
「この地を。どうして」
「私は。神々を裏切ってしまいました」
その蒼い顔での告白であった。
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