六武衆
[1/7]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
デッキを交換しての決闘から数日後の深夜、Dホイールを整備しているとPDAにメールが届く。
『丸藤翔は預かった。返して欲しくば一人で女子寮の湖にまで来い』
なんでオレにこんなメールが?ふむ、無視しても良いが少し気になるな。ちょうど整備を終えたDホイールもある事だしな。ディスクもハイブリッド型のがあるし、デッキは備え付けているものがいくつかと何時も持ち歩いているメインデッキがある。まあメインデッキを使う気は無いが何とかなるだろう。一応、デッキ内容を確認。げっ、女子寮に来いってことは女生徒が相手なのによりによってこれか。何処かに他のデッキはこいつか。これもちょっと不味いな。こっちは図書館エクゾで、こいつは闇の決闘用。仕方ない、向こうで決闘をする事になったら選ばせよう。それしかないな。整備用の道具を片付けてヘルメットを被る。バイザーを降ろしてシャッターを上げる。PDAを手札置きに固定して地図を表示する。距離的には2分程だろう。エンジンに火を入れ、モーメントが虹色の輝きを見せる。
「行くか」
アクセルを回し、夜の森を駆け抜ける。獣道ばかりだが、いきなり足場が爆発したりする精霊界と比べればこれ位の道は楽に走れる。地図によれば湖はすぐ傍にあるみたいだな。
え〜っと何処かに人は、あれか。丁度湖を挟んだ反対側に数人の人影が見える。このまま回り込もうかと考えたがそれでは時間がかかりすぎる。
「仕方ない。あまり人に見せる様なものではないが」
意を決して湖の上を走る。あんまり人には見られたくないんだけどな。真ん中辺りまで走った所でようやく向こう側も気付いたのか驚いた様な行動を見せている。速度を落としつつ、ゆっくりと上陸する。
「指示通り一人で来たぞ」
ヘルメットを外して素顔を見せる。女生徒が4人に縛られている気絶している丸藤の5人か。
「貴方、今のは」
「気にするな。それより事情を聞かせろ。なぜオレにこんなメールを送る。丸藤の事はどうでも良いが、気になって態々来てやったぞ」
「まあ、そうでしょうね。ただの口実だから気にしなくていいわ」
そう言うのは金髪の女生徒だ。
「君は?」
「天城院明日香よ。明日香で良いわ」
「東雲遊矢だ。好きに呼ぶと良い。それで丸藤はなんで縛られてるんだ?」
「こいつがお風呂場を覗いてたのよ」
明日香の取り巻きらしき一人が応えてくれた。それにしても覗きだと?
「なら教師に突き出せば良いだろう。何故オレを呼ぶんだ」
「それは」
「明日香があんたと決闘がしたいからだって。まったく付き合わされるこっちの身にもなって欲しいわよ」
ピンク色の短髪の女生徒が腕を組みながら不満を述べる。見覚えがあるな。
「君は確か六武衆使いの」
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ