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失われし記憶、追憶の日々【ロザリオとバンパイア編】
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第七話「朱染千夜はシスコン」
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まれるわ。それに人間を全員滅ぼせるとは限らないのよ?」
お袋の言葉にとうとう亞愛が言葉を荒げた。今まで溜めていた感情を爆発させるように矢次に言葉を飛ばす。
「那?、怎?做(じゃあ、どうしろと言うのよ)!? 私から復讐を取ったら何も残らないのよ! それだけを生き甲斐にしてきた私の目標を取らないでよ! それに、あんなことをした私が、今更みんなと過ごせるわけがないじゃない……っ!」
「亞愛……」
娘の心からの叫びに一瞬押し黙るお袋。俺は静かに語りかけた。
「なあ、亞愛。この二年間、うちで生活してきてどう思った? 萌香たちやお袋と一緒に暮らしてどう思った? もし、少しでもここでの生活を気に入ってくれたのなら、ここにいればいい。萌香たちに罪悪感を覚えているなら、これからの生活でそれとなく償えばいい。本当のことを言ったら混乱するからな。それに、俺たちには罪悪感を感じる必要もない。なにせ、とっくの昔に赦しているからな。難しく考える必要はないさ。それと――」
一旦、紅茶で喉を潤し、続きを口にする。
「復讐を止める必要はない」
「千夜?」
訝しげに俺を見つめるお袋を一瞥し、同じく怪訝そうな顔をする亞愛を正面から見据える。
「その復讐したいという気持ちは正当なものだ。八つ当たりでもない限りな。誰でもひどい扱いを受ければ恨みもするもの。その感情は当然のものであり、そこに理屈はない。君の復讐心は君だけのものだ。ただ、目的と手段をよく考えてほしい」
「目的と手段……?」
「そうだ。お袋には悪いが復讐を空しいといえるのは第三者だからこその発言だ。今言ったように復讐をしたいという気持ちは理屈ではない。これを理解できる――いや、共感できるのは同じ復讐心に駆られた経験のある者だけだ。しかし、復讐というのは連鎖するものでもある。お袋の言うとおり、復讐することで再び負の連鎖が生まれ、今度は亞愛が対象となる可能性がある。ここまではいいな?」
「ええ……」
「よし。では続けるが、復讐は当事者同士で決着をつけるべきだと俺は考えている。そこに本来無関係であるはずの者を巻き込んでしまっては、それは復讐ではなくただの害悪となる。そこには正当性もなにもない。なにより筋が通らない。そうは思わないか?」
コクリと頷く亞愛。そんな彼女に優しく語りかける。
「なら、関係のない他の人間、そして真祖の血を――という理由で殺されるお袋はどうなる?」
「……っ!」
なにが言いたいのか理解したのか、目を見開いた亞愛が勢いよく頭を上げ、俺とお袋の顔を交互に見つめた。そんな娘をお袋は優しく見守る。
「理解したか? 君がやろうとしていたこ
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