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失われし記憶、追憶の日々【ロザリオとバンパイア編】
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第七話「朱染千夜はシスコン」
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もお袋で相当堪えているようだな。まあ、確かに仕方がないとはいえ自分も原因の一端を担っていたら自身を責めるよな……。お袋も後でフォローを入れておかないと。
横目でお袋の様子を確認した俺は頭の片隅に入れておく。
――これで俺とアルカードについての話は終わり。さて、ここからが本番だ。
「あー、悪いが刈愛と心愛は席を外してもらえるか? 少し俺とお袋と亞愛で話があるんだ」
「わかったわ」
「えー、あたしも行かないといけないのー?」
「悪いな、今だけは言うことを聞いてくれ」
愚図る心愛に両手を合わせると、彼女はしぶしぶと頷いてくれた。
「むー……仕方ないわねぇ」
退室する刈愛たちを目届けた俺は扉が閉まるのを確認すると、部屋に遮音結界を張った。これで会話が外に漏れることも、盗み聞きされる心配もない。
「――? いま何をしたの?」
結界を張った際の魔力の放出を感じ取ったのか、お袋が怪訝な表情で聞いてくる。
「ちょっと防音対策をね。今からする話は聞かれると色々と不味いからな」
一旦席を立ち、三人のカップに紅茶を注ぐ。席も整ったことだし、ここからは三人だけでの家族会議だ。
「さて、単刀直入に聞こう。まだ、真祖の血は求めているか?」
普段より口数の少ない亞愛にズバッと正面から切り出した。亞愛は軽く目を伏せながら己の胸の内を開陳する。
「……諦めきれていない、というのが正直なところ。私は今まで世界を手にして人間たちに復讐することだけを目標に生きてきたから、そう簡単に考えは覆せない」
――諦めきれていない、か。よかった、『諦めていない』ではなくて。受け身の考えということは積極的でもないということだ。
お袋が優しく諭すように言葉を紡ぐ。
「あなたが過去に人間にどんな酷いことをされてきたのかは当事者でない私たちには想像することしかできないわ。でも、全ての人間があなたを辛い目に遭わせてきたような人ではないと思うの」
「……」
「前にも言ったけど、あなたは自分が思っているほど冷徹な娘ではない。たったの二年という月日だけど、それでも私は母としてあなたをずっとこの目で見てきたわ。私には分かる」
お袋の言葉に苦しそうに顔を歪める亞愛。膝の上に置いた手をキュッと握りしめて何かに耐えている。
「兄として亞愛を見てきた俺からしても、君は優しい女の子だと思うよ。亞愛がどう思っていたかは知らないけれど、君の妹を見つめる目はとても慈愛に満ちた目をしていた」
「また、私たちで暮らしましょう? ね? 復讐なんてしても空しいだけよ。仮に成功しても今度は亞愛が恨
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