第4章 聖痕
第48話 クーデターの夜
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居ます」
清楚な雰囲気に相応しい仕草で礼を行いながら、黒髪の少女はそう答えた。
但し、妖精女王と言うよりは、妖精の姫と言う雰囲気だと思うのですが。
しかし……。
成るほどね。シーリー・コートの女王にして、ティターンの娘。まして、彼女の良人と言われるオベロンが姿を顕わすのは、イギリスではなく、フランス。それも、ボルドー伯爵関係の物語の中でした。
そして、このハルケギニア世界で彼女が初めて顕われたのが地下のカジノ。それも、その際に顕われたのはアンシーリー・コートの支配者スカアハ。俺がシーリー・コートの女王に最初から見込まれていたのなら、影の国の女王に妙な依頼が為されるのも、湖の乙女に助力を乞われるのも、神話的に言うと、そう不思議な話でも有りません。
「ならば、妖精女王よ。ガリアの姫の元へ案内をお願い出来ますでしょうか?」
☆★☆★☆
「ここは、リュティスの地下に広がる下水道」
問わず語りに妖精女王は、そう独り言のように語り始めた。地下下水道内に響くのは、落ち着いた雰囲気の彼女の声と、そして、俺とタバサの靴音のみで有った。
「元々、シテ河の中州に当たるリュティスは、大河シテ河の渡河点。そこに、ガリアの首都を造ったのは当然の帰結です」
まるで、その作業に自らが関わったかのように、妖精女王はそう語った。
そう、その言葉からは、懐かしき思い出を語るかのような、良い思い出を語るかのような雰囲気を感じ取る事が出来たのでした。
「民の生活の安定の為には、上下水道の完備は必須。そう言って、歴代のガリアの王はここ、リュティスを造り上げたのです」
成るほど。もしかすると、本当に精霊と契約を交わした王が存在したのかも知れないな。
それに、少なくとも、トリスティンに下水道が完備されていると言う話は聞いた事がないので……。
「それで、今は一体何処に向かっているのです?」
普段通り、タバサは右隣に。そして、左隣には妖精女王と言う両手に華の状態の割には、落ち着いた雰囲気で、そう聞く俺。
もっとも、臭気はカットしていますが、ここはリュティスの地下を走る下水道。こんな場所では両手に華だろうが、ハーレム状態だろうが、あまり浮き立つような気分に成る訳は有りません。
まして、彼女は俺の手伝いをすると言うよりも、自らの関係者。ガリア王家の姫を救い出す手伝いを行うだけでしょうから、その相手が俺やタバサで有ろうと、それ以外の誰で有ろうとも対応は変わらなかったとも思いますから。
「これから向かう先は、ヴェルサルティル宮殿と呼ばれる宮殿が立っている場所に有った古い井戸の跡」
少し……。いや、かなり強い陰に近い気を発しながら、妖精女王
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