第4章 聖痕
第47話 東薔薇騎士団副長
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、二度と信用される事はなかったと言う事だ」
もっとも、黒田如水と、この目の前の男とを、才覚の上で同列に語る訳には行かないと思いますが、それでも野望と言うレベルで表現するのなら、似たようなレベルであるのは間違いないと思います。
まして、
「それに、もし、貴様が言う王権の簒奪者を排除して、我が主が王権を奪い、サリカ法を無視した形で女王に即位したとしよう。
その時の彼女の政策が、お前の気に入らない政策だった場合は、お前はどうする?
今度はイザベラに近付き、王位の簒奪を示唆するのか。
それとも、マジャール侯爵の元にでも走るのか?」
一度、主を裏切った人間が、もう一度裏切らない保障が何処に有る。
こいつの言葉を信用するのなら、こいつは、オルレアン公に何らかの恩義が有るのでしょう。しかし、オルレアン公が暗殺されてから数年間は、こいつはガリア王家の臣として暮らして来たはず。それでなければ、現在の身分は有り得ませんから。
つまり、一度は王の臣下として膝を屈した人間が、再び、タバサの元に寝返ろうとしていると言う事。歴史上で言うのなら、この手の手合いは、都合が悪くなると、確実に同じ事を繰り返す信用の出来ない人間で有る事の方が多い。
まして、こいつと良く似た立場の人間が、アルビオンにも存在しています。
アルビオンのオリバー・クロムウェル護国卿と言う人物がね。
もっとも、彼の場合は、執拗に繰り返されるデューダー朝によるティファニア王女捜索から、彼女を守り通したアルビオンの神官組織の長で有ったので、数年の間、タバサに近付きもしなかった、眼前の、俺に対して敵意むき出しの視線で睨み付ける男とは違い過ぎますが。
「先ず、我が主の警護を行いたいのなら、自らの主であるガリアの王に対して、自らの任を解くように申し出て、その後に、彼女の護衛がしたいと王に申し出るのが筋。筋を通さずに、このように若い女性の寝所に無理矢理押しかけるようなマネを為す人間を、信用出来る訳がない。
まして、王権の簒奪を唆すような人間の言葉を信用出来る訳がない」
それで、この男の目的は、おそらくはオリバー・クロムウェルと同じ立場に立つ事。
東薔薇騎士団と言う戦力を用いてジョゼフ王を廃した後に、幼いシャルロットを、サリカ法を無視した形で女王に即位させ、政治の実権は護国卿に就任した自らが握る。
アルビオンの黒衣の宰相の二匹目のドジョウを狙ったのでしょうが、それにしたトコロで、今までの受け答えから推測出来るこの男の才覚では難しいでしょう。
せめて、魏の武帝。治世の能臣、乱世の奸雄と言われた人物ほどの才覚が有ったのなら、俺程度の人間にやり込められる事もなかったのでしょうが。
ガリアの護国卿を目指した人間が、俺から、タバサへと視線
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