第4章 聖痕
第47話 東薔薇騎士団副長
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りシャルル・アルタニャン卿で、俺の探知した通り彼一人しか、その場には存在して居ませんでした。
そして、扉が開くと、そのまま俺を無視するかのように室内に侵入。そして、
「姫様。内密の話が御座います。どうか、御人払いを」
……と、タバサに告げた。
おそらく、これは俺が邪魔だと言う事。う〜む。矢張りアルタニャン卿には、俺の正体がタバサが異世界から召喚した使い魔だと言う事を告げられていない可能性が高いのでしょう。
使い魔と主人は一心同体。俺に対して隠し事をしたトコロで、その内容をタバサに話したのではあまり意味はないのですが……。
しかし、首を横に振るタバサ。そして、
「彼はわたしに取って大切な相手。彼に聞かせられない話ならば、わたしも聞く必要などない」
……と、普段とは違う雰囲気で、そう答えた。
そう、これは多分、怒り。俺を追い出そうとしたから……、なのでしょうか。
しかし、アルタニャン卿が事情を知らなければ、俺の事は、彼女の御目付け役ぐらいにしか捉えていないと思いますから、アルタニャン卿自身のこの対応は責められないとは思いますよ。
但し、彼女の言葉は、俺に取っては非常に嬉しい言葉で有ったのは事実なのですが。
その答えを聞き、シャルル・アルタニャンから、それまで以上の陰気が発生する。
しかし、
俺の排除を諦めたのか、羽根飾りの着いた帽子を取り、タバサの足元に恭しく跪くアルタニャン卿。
但し、タバサの方は無視。普段ならば、右手をそっと差し出すのですが、最初に俺の排除を行おうとした事が裏目に出たのか、そんな事さえも行う事は無かった。
「私めに殿下をお守りさせて頂きたく思い、こうして参上いたしました」
アルタニャン卿はそう言った。言葉自体は忠誠心に溢れた騎士そのものの言葉。但し、心根に、何か黒い思惑のような物を隠しているのが、彼の発して居る気配から読み取る事が出来る。
う〜む。しかし、これは妙な話だと思うのですが。
東薔薇騎士団とは、確かガリアが誇る最大戦力。国を護る剣で有り、同時に盾ではないのでしょうか。其処の副長とも有ろう人間が自らの職務を放り出し、トリステインに留学しているタバサの身を護る役を担いたいって……。普通は有り得ない事ですし、許されない事だと思うのですが。
まして、それを伝える相手は、タバサではなく、ガリア王に願い出るべき事柄で有って、タバサに言ったトコロで、答えようがない申し出のような気もしますが……。
……それとも、この任務の最中だけ身辺警護をさせてくれ、と言う事でしょうか。しかし、それは大きな意味で言うなら、東薔薇騎士団の騎士達がイザベラ姫を護って居るこの状況は、既に彼が望んでいる状況に成っていると思うのですが。
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