第4章 聖痕
第47話 東薔薇騎士団副長
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はいないはずですからね。
流石に、正体不明の不審人物がイザベラ付きの侍女に近付くのは警戒されても仕方がないでしょう。
何故ならば、彼らに取って俺は、自らの仕事と身分を脅かす危険な存在ですから。
ガリアに取っての敵では無くても、自分達に取ってはライバルで有る可能性は有りますから。
それで、俺の腕時計が指し示すのは現在、夜の十時過ぎ。尚、俺の部屋は、イザベラの部屋の隣に用意されていたのですが、当然のように、タバサの部屋の扉の内側で、扉を背にして眠る事にしました。
もう慣れたはずなのですが、矢張り、その事を告げたタバサから少しの陰の気が発せられたのですが、流石に、ここにタバサの魔法学院女子寮の部屋のように畳を持ち込む訳にも行きませんから、これは無視。まして、彼女と同じベッドの上で眠るなど論外。
尚、寝室に関しても、最初に盗聴用のマジック・アイテムの有無を調べた後に、ハルファスの能力に因って結界を施し、食事に関してもすべて俺が確認したのですが、それらは杞憂に終わり、正直、イザベラの元に送り付けられて来た暗殺の予告状自体が、何らかの悪戯では無かったのかと疑いすら抱かせる状態。
今晩さえ乗り切れば、明日はリュティスに帰るだけ。まして、来た時と同じように、隣の街。王領まで馬車で移動してから飛竜に移動手段を変えますから、其処まで頑張るだけの状態と成りました。
そんな、長かった今日と言う日の終わりの時間帯。
突然。部屋の扉がノックされる。
このような時間帯に、王女の部屋に訪れる人間……。
俺は、タバサを確認するかのように見つめる。このような時間帯の来訪者ならば、面倒なら無視しても失礼には当たらないはずですから。
しかし、タバサは小さく、しかし、確実に首肯く。これは肯定。
それならば仕方がないですか。そう思い、ハルファスの能力を使用して、すべての存在を出入り不能にする結界の解除を行い、
「どちら様でしょうか」
……と、扉の向こう側に対して声を掛けた。
「東薔薇騎士団副長シャルル・アルタニャン。早急にイザベラ姫に伝えたき儀が御座います」
早急に、と言った割には、さして差し迫ったような雰囲気ではないアルタニャン卿がそう扉の向こう側から声を掛けて来た。
そして、其処に存在する気配は一人分。こんな時間に配下を連れずに一人でやって来たと言う事は、本当に内密の用件が有ると言う事なのでしょう。
但し、彼からは相変わらず、信用するに値しない種類の陰の気を感じさせ続けてはいたのですが。
そのアルタニャン卿の声を聴いたタバサが、再び首肯いた。そのタバサの仕草を確認した後、俺はゆっくりと扉を開く。
廊下に立っていたのは、言葉通
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