第4章 聖痕
第47話 東薔薇騎士団副長
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サ。但しその瞳には、旧交を温めあう雰囲気を装う青年貴族と青年騎士を映しながら。
これは間違いない。この目の前の青年貴族は、三銃士の中のポルトス。
しかし、それにしては、この二人が発して居る雰囲気が、陰の気を帯び過ぎている事に違和感を覚えるのですが……。
いや、彼らだけではなく、王女一行を護衛する任務を帯びている東薔薇騎士団の騎士たちにしても、全体的に嫌な雰囲気を発して居るような気がするのですが……。
確かに、表面上は、アルタニャン卿も、ブランシュー伯爵も通常の騎士で有り、貴族の対応を取って居ます。そして、それは当然、東薔薇騎士団所属の騎士たちにも言えるのですが。
まして、よくよく考えてみたら、史実上のイザーク・ポルトーは、銃士隊に所属していたのは事実ですが、大した功績を上げる事なく除隊した人間のはずです。そして物語上のポルトスにしても、彼の呼び名のポルトスは通称で、本名は最後まで明かされる事は無かったはずですから、彼らに、俺が知らない面……物語内では語られる事の無かった面が有ったとしても不思議では有りませんでしたか。
アルタニャンにしたトコロで、実はアルタニャン家の人間などではなく……。
其処まで考えてから、肺に残った空気を吐き出し、そして、新鮮な大気を吸い込む事に因って、身体の気の巡りと、ついでに頭の方の血の巡りを良くして置く俺。
そう。今が、今回の任務に関しての疑念が更に大きく成った瞬間ですし、危険な任務で有るのも間違いない、と確信した瞬間でも有りますから。
それに、タバサだけでなく、イザベラの身も護る必要が有るのですが、しかし、そのイザベラの身を護るべき東薔薇騎士団の騎士たちがどうにも胡散臭いので……。
しかし、彼らは腐っても王家に仕える騎士のはずなのですが……。
「それでは、お部屋の方にご案内致しましょう」
ブランシュー伯爵が、イザベラ姫の手を取りながら、そう告げた。
そして、その瞬間に、俺の嫌な予感と言う物が、更に大きな物に成ったのは言うまでもなかった。
☆★☆★☆
結局、新しいブランシュー家の家長の御披露目パーティ初日は滞りなく終了。
ただ、その最後の部分で、
「信用しているよ」
……と、イザベラ姫付きの侍女から言われたのですが、一体、俺の何を信用しているのかが判らないのですが。
まして、本当のイザベラ姫の護衛を担うのは、俺では無く、アルタニャン卿。俺が彼女の傍に居る事は出来ませんし、同時に許されても居ないのですが。
東薔薇騎士団の騎士たちからしてみると、俺は正体不明の不審人物ですから。
おそらく、俺の正体がイザベラに異世界より召喚された使い魔で有る、などと言う説明は為されて
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