第4章 聖痕
第47話 東薔薇騎士団副長
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れる雰囲気ではなく、陰の気。良く判りませんが、少なくとも、旧友と言う存在を相手にする雰囲気では有りませんでした。
「相変わらずだな、シャルル。少しぐらい、イザベラ姫と話をした所で、お前と俺が居るこの場に危険な事はない。そうだろう、東薔薇騎士団副長殿」
そして、イザークと呼ばれた青年貴族の方も、まるで友人に対して話し掛けるような雰囲気を装い、そう返した。
……なのですが、コチラの方は、シャルルと比べると、鷹揚な雰囲気。確かに、口振りほどはシャルルに対して気を許しているようには思えませんが、それでも、どうやらシャルルに関してはさほど重要視してはいない、と言う風に感じる受け答えだったと思います。
魔法や、剣の腕でも未だお前には負けない、と言う類の雰囲気だと表現した方が伝わり易いですか。
う〜む。もしかすると、シャルル・アルタニャンは、この目前の人物がイザベラ暗殺の予告状を送った人物の可能性も有ると警戒しているのかも知れませんか。
確かに、微妙な気を纏った人物で有るのは確かですが、確実に黒だと認定出来るほどの黒い邪気を放っている訳では有りません。
もっとも、屋敷の前のこの位置は、襲撃を受け易い場所で有る事は間違いないとは思いますから、確かに、さっさと屋内に入った方が良いのは事実なのですが。
其処まで考えてから、改めて、目の前で親しげにシャルル・アルタニャン東薔薇騎士団副長と話し込んでいる青年貴族に注意を向ける俺。
少々、悪趣味な服装。確かに、面従腹背と言うあまり宜しくない雰囲気を放って居る人物ですが、友人として親しく付き合って行く人間ではないので、現状ならば捨て置いても良いレベル。
ただ、何か少し気に成るのですが。
……ん。そう言えば、イザークとシャルル。そして、その二人から感じる、運動部の先輩と後輩のような雰囲気。
【タバサ。この青年貴族のフルネームを教えて貰えるか?】
少しの引っ掛かりを感じた俺が、タバサに対して、【指向性の念話】で問い掛けてみる。
そう、嫌な予感……と言うか、記憶の片隅に残るある人物の名前と、この悪趣味な服装の青年貴族とが重なるのですが。
【イザーク・デュ・ヴァロン・ド・ブランシュー】
そして、さして間も置かずに、タバサから、名前のみの【答え】が返されて来ました。
……イザーク。そして、ポルトーの街。何処かで聞いた事のある名前。更に、悪趣味なまでの派手な服装。
【それなら追加の質問や。彼は元東薔薇騎士団所属の騎士で、更にガスコーニュ地方出身。ブランシューの家名は、元々、伯爵家を継いだ人間が死亡して未亡人と成った相手と結婚した事により継いだ。これで間違いないか】
俺の【質問】に対して、今度は少し首肯く事によって肯定を示すタバ
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