第3話
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」
左手にライフルを即座に展開させ、撃つ、撃つ撃つ撃つ撃つ撃つ。
スラスターを全開にしても回避しきれず、いくつか掠める。
予想が出来てはいた。
同型、類似性能で此処まで差を付けられる理由、
単純に技術と経験が足りないのだ。
つい先ほど初めてISを起動させた俺と、訓練機とは言え腕を磨いてきた相手…、差が付いて当然である。
「確かに速い…、でも、それだけならっ!」
軌道の先を読まれ、撃たれる。無意識に腕で顔面を庇う。
「…なるほど。そういう使い方も、あったんですね?」
妙に感心したような声。何か起きた!?
「左腕の拡散の応用…、これは少し、厄介な…」
「拡散の…、応用?」
腕が死角になって見えなかったが、腕を少し離せば、俺の前に薄い幕状のエネルギーが。
「バリア?いや…、左腕のエネルギーを薄く広く拡散して、攻撃を相殺しているのか!」
この能力は俺は知らない。つまり、あのふざけた神のサービスと言うことになる。
痛手を与えるはずだった一撃を防がれ、相手は戸惑っている、チャンスは今しかない!!
「せええぇ!!」
「…っううう!!」
スラスターを全開にし、肩をつかんで全力で押す。
虚を突かれ、反応すら出来ない宮間さんを外壁に叩き付ける。
下がりながら左腕でエネルギー弾を連射。
普通に撃って命中しないならば、命中する状況を作るまで!
しかし、向こうも素直に喰らってくれる訳がなく、ライフルを戻し、近接戦闘用のロングソードを展開し、エネルギー弾を弾きながら近付いてくる。
「左で出来たなら、右でも出来るはずだ!」
左腕を下げ、右腕にエネルギーを纏わせ、こちらも突撃。
「剣相手に拳なんて…!」
「だったら『拳』を『剣』にするだけだ!伸びろぉぉぉ!!」
俺の雄叫びに右腕のエネルギーが、細く、長く、鋭く姿を変える。
右腕の収束を応用すれば、エネルギーで刃だって作れる!
交差する機体と刃。
打ち勝ったのは、
「お見事…、ですっ!」
「このまま、一気に勝利まで突っ走らせてもらう!」
戦況が、大きく変わろうとしていた。
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「凄い…、凄いぜトモッ!」
モニター越しの戦いに興奮する一夏。
「…技量は宮間、気迫は丹下、機体性能はほぼ互角。よく流れを引き込めたものだ」
二人の戦闘に、微かに笑みを零す千冬。
「一夏、お前も専用IS所持者なら目に焼き付けておけ。お前に必要なものが幾つもある」
「…分かった、千冬姉」
モニターの戦闘を眺めながら、少しだけ姉弟に戻り言葉を交わす二人。
しかし、次の瞬間には息をのむ事になる。
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