暁 〜小説投稿サイト〜
エターナルトラベラー
第七十九話
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「なっ!?」

まさかのアテナのだめ出しにアーシェラは押し黙った。まさか人間社会など塵芥にしか感じないまつろわぬ神にまでダメだしされるとは、まさか本当に自分がズレているのではと思ってしまったのだろう。

「では、車を用意しますね」

と、甘粕は先に駐車場へと向かい、ユカリ達は荷物を纏めるとチェックアウトを済ませ、日光の街へと繰り出した。


さて、昨日あれだけ面倒な事が起きたばかりだと言うのに、厄介ごとは時を選んではくれない。

アーシェラは一人、土産屋の前に備え付て有るベンチに座り一人ごちていた。

「まったく、何故あやつらは妾に構う。…それも当然のように親しげな感じで」

人に構い倒されるなどど言う慣れない事にアーシェラはどっと疲れ、ベンチで休むと言い、ほんのひと時彼女は一人で空を見上げていた。

しかし、今までアーシェラはかしずかれる事や、敵対し攻撃しあう事は有っても、対等に扱われる事は無かった。それを考えて心の中に何か暖かい物が生まれ、ほんの少しだが昨日の自分との違いを感じる。

「その違いも嫌じゃない…か」

そうアーシェラは自分の感情を整理していた。

そんな時、ガチャリと言う何か引き金が引かれる音が聞こえたかと思うと、いつの間にかアーシェラの後ろに仮面とマントで身を隠した場違いの男が立っていた。

さて、こう言った場合の周囲の人々の反応はどうだろうか。

一昔前なら直ぐに警察へと連絡した事だろう。

しかし、昨今なら?

通行人は見てみぬ振り、いや、遠くからスマートフォンで写真を取っている奴まで居る始末だ。

銃を突きつけている男がコスプレっぽいと言うのも理由の一つだろうが、倫理観、危機感の低下が主な理由だろう。

「ジョン・プルートー・スミスか。遥々妾を追ってこんな島国まで来るとは、余程暇と見える」

「何、貴様と私の因縁に決着を付けたいだけさ」

等とキザったらしく言い返したこの男は、名をジョン・プルートー・スミス。ロサンゼルスを拠点とするチャンピオン…カンピオーネである。

スミスはロサンゼルスでアーシェラを仕留めたはずなのだが、この日本でまつろわぬレヴィアタン…つまりアーシェラの竜蛇の姿が確認された為に急遽来日したのであった。

「妾を討つか?」

「貴様を生かしておいてもろくな事が無い。貴様はこんな島国で何を企んでいる」

「ふむ。特に何も」

と、アーシェラは何の感慨も無く答えた。

「嘘をつくなっ!」

「妾は使われていただけだ。その計画も昨日失敗した。…いや、ある意味成功したか?」

「まつろわぬ神の招来か」

「さて?もう終わった事だ」

「では何故お前はあのまつろわぬ神に近づいた?」

と、スミスはア
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