第七十九話
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「蛇の姿では出来ぬと思うが?」
「あら、あなたは元々人では無いの?私が使ったこの禁忌魔法は人間を縛して双型を与える魔法。元に戻ろうと思えば大丈夫よ」
ユカリが使ったのは人間を使い魔にと言う倫理を度外視した禁忌の技だ。
古代ベルカでは魔導資質が低い人にたまにこういった手段でリンカーコアそのものを強化させていた。戦争での戦力確保と言う狂気に取り付かれた為に生み出された非道である。
「そうか…」
と言ったアーシェラの足元に剣十字の魔法陣が展開され、その姿をゆがめると、体積が伸びるように増え、その形を人間の物へと変化させた。
「む?今のはユカリ達が使う呪法よな?そやつは神祖であるはずなのだが」
アテナがはじめて興味を持ったように誰に問うでもなく口にした。
「基本的な魔導技術は使い魔生成の術式で使い魔に変化させる時に生成されたリンカーコアに刷り込んである。主の技量にも寄るが、変身魔法くらいは使い魔の基本と言う所だね」
と、アオが答えていた。
現れたのはアテナと変わらないくらいの背格好の少女だ。初めて目をしたときよりも大分血色は良い。
「それと、主に好意を持つようにも刷り込んであるから、よほどの事が無い限り主を裏切らない。その辺もあるから禁忌魔法なんだけど…ついでに言えばこの使い魔の術式がアーシェラが崩壊するのを留めている。契約が切れれば自然と衰弱して死んじゃうんじゃないかな」
とアオは続けた。
「なかなかうまく出来た魔術よの」
「魔術じゃなくて魔法ね。まぁ、魔導でも良いけど」
ザザーッ
「遅れました」
再び戸が開けられると別行動をしていた甘粕が到着したようだ。
一応エリカが甘粕に事の次第を伝え、翠蓮が起こした事件の後始末に追われ、目処が付いたので後の事を部下に任せ、こちらへと来たらしい。
エリカ、リリアナは何とか護堂と合流、別の宿で疲れをとっているだろう。
帰りは明後日の予定なのでそれまでは自由時間だ。
甘粕をユカリは招き入れ、その後に待機していた仲居さんがろそろそろ夕食の時間のようで、配膳を開始する。
「ユカリさん、少しよろしいですか…」
ささやかな宴会が始まる前に甘粕はユカリに耳打ちし、初めて見る華人へのご紹介をと願い出た。
本来であれば自ら進み出て自己紹介をすれば良いのだろう。しかし、その麗しの華人に甘粕はあたりを付けていた為に自ら声を掛けるのは躊躇われたのだ。本来であればこの部屋に入ることすら胃の痛い思いだったが、ユカリとの約束も有るし、上司からも面識を得て来いと言われ入る以外の選択肢は無かったのだ。
「あ、そうね。でも私よりもあーちゃんに取り次いでもらった方が良いかも」
「そうですか…アオさんに頼
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