第九話『飛来する悪意』
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らな」
「スウェン少尉はたった一時間で出来たとお聞きしましたが?」
「……ストライクが扱いやすかっただけだ。俺は先に飛ぶ、後から付いて来い」
そう言い、スウェンは宙に浮き、そのまま空中へと飛んでいく。ある程度の高度まで来たら、スウェンは下を確認する。不慣れであるが、ラウラがゆっくりと同じ高度まで来た。
「俺が今から攻撃を行う、お前は避けろ。いいな?」
「はい!」
スウェンはラウラから距離を話した後、ビームライフルをラウラに向け
「ッ!!」
銃口から放たれたビームは、ラウラに直撃した。
「避けろと言った。当たってどうする」
「す、すいません」
「もう一度だ」
「はい!」
そこから30分の時間が経過した。
「ふっ! はっ!」
連続で撃たれたビームをラウラは危なげながらにも避けてみせる。スウェンは一旦攻撃の手を止め
「先程に比べて動きが良くなった」
「本当ですか!?」
「ああ、だが慢心はするな。慢心は人間の心に隙を作る」
「はい!」
「さて、次は――」
突如、基地全体に警報がなる。するとシュハイクからの開放通信が入る。
『スウェン、ラウラ!』
「隊長、何かあったのですか?」
『廃棄された衛星がこの基地目掛けて落下している! 今基地のミサイルで迎撃する!』
二人は空を見ると、確かに大気圏の摩擦熱で赤みを帯びている衛星が視認できる。そして、基地のミサイル施設から2発のミサイルが発射、衛星に向かっていく。
「直撃コースか……」
スウェンの宣言どおりミサイルは衛星に直撃し、二人の位置からでも聞こえる爆音と、衛星は爆煙に包まれた。
「……!?」
煙から何かが飛び出してきた。それは衛星の破片だ。破片になった事により、落下速度は急激に上昇する。
『ミサイルの発射台が遅れている、第二波が間に合わん! 二人ともそこから退避しろ! そこは落下コースだ!』
「なっ!?」
スウェンはシュハイクの言葉を聞き、方向を変え
「ラウラ!」
「は、はい!」
二人は全速力でそこから退避しようとしたが、ラウラは焦りでうまく飛行調整が出来ず
「!? うわぁあああ!!」
「ラウラ!!」
そのまま地面へと落下した。ラウラは無事のようだが今から退避するとして、スウェンは間に合ったとしてもラウラは間に合わない。破片は今そこにもう迫っている。
「くっ!!」
スウェンは急ぎラウラの元へ行く。
「スウェン少尉! あなただけでも退避を!」
「断る!!」
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