ララバイ編
EP.11 黒き閃光
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ントロールを必要とする技なので、隙を作る必要があった。何せ、失敗すれば自分の体内の魔力を爆発させる事になるのだから。
「ハッ、風通しが良くなったじゃねぇか」
呪歌の右脇腹を大きく抉り取り、ワタルは挑発をしながらも、感じた手応えが確かなものである事を確認した。
『グゥ……オノレエエエエェェェ!!!』
「ッ! させるか!!」
呪歌は口から光弾を発射、狙いは……エルザ達だ。
「“魂威・防壁”!! ……オイコラ! 余所見とは……随分余裕があるな、あん!?」
“魂威・防壁”は、鎖鎌装備時の専用技だ。通常の“魂威”は、攻撃はもちろん、防御にも使えるが……所詮掌だけの点の防御だ、範囲は狭い。
“魂威・防壁”は、鎖鎌の鎖で円や多角形などの図形を描き、そこに鎌から伝えた魔力を膜のように張って、面の防御を可能にする防御専用の技である。
一対一だ、と思っていたら、他の場所を攻撃された。この事は、ワタルに自分の事を蔑ろにされたような気分にさせ、ちょっとした怒りを抱かせた。
鎖鎌から手裏剣へ換装、そして投擲。狙いは左足の切断。
右脇を大きく抉られて、バランスを保てていない呪歌はあっさりとそれを許し、左側に倒れようとしたが……。
「……まだ倒れるのは早いぞ!」
『グゥ……この、化け物があぁぁ!!』
再び鎖鎌を構え、左側の鎌を投げた。魔力による操作で呪歌の右腕を絡め取り、その体が水平になるように固定。右手の鎌を足元の地面に刺して固定すると、鎖を足場に高く跳んだ。
「化け物は……」
『な、なにぃっ!? 動けん!!』
「お前だろうが!! “二掌魂威・双槍”!!!」
『ガッ……バ、バカ、な……』
落下の勢いで、両手を使った“魂威”を決めると、呪歌は倒れこみ……そのまま消えた。
「お前ならこれぐらいは当然だな」
「ひっでぇな、ちょっとは心配してもいいんじゃないの?」
「必要ないさ。お前が強いことぐらい知っているしな」
「……フッ、そうか」
エルザが腕組みをしながら言うと、ワタルは苦笑しながら返した。少し前に、自分がミラに言った言葉と、同じ事をエルザが言い、それがなんだか嬉しかったのだ。
「ゼレフの悪魔を……あっさりと、それも一人で……!」
「驚いた……これが音に聞こえた妖精の尻尾の“黒き閃光”か……!」
「いきさつは分からんが……妖精の尻尾には借りができちまったみたいだなァ」
「なんのなんのー! ふひゃひゃひゃひゃ……ひゃ、ひゃ……は……!!」
マカロフは、ギルドマスターたちの言葉に気を良くして高笑いをしたが……ある事に気付いて、固まり、そーっと逃げ出そうとした。
「ん……? って!!」
「なんじゃ? ……こ
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