暁 〜小説投稿サイト〜
FAIRY TAIL 星と影と……(凍結)
ララバイ編
EP.11 黒き閃光
[6/8]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
術眼で相手の出鼻を挫く。時には死角から姿を見せる事無く、時にはそのスピードで翻弄しながら敵を撃つ。対峙した者が目にするのは、黒髪が残す残像と、“魂威”による一瞬の光のみ。だからワタルは “黒き閃光(ブラック・グリント)”の異名を取っているんだ」
「エルザ、説明(それ)オイラの役目だよ〜!」
「“黒き閃光(ブラック・グリント)”……。確かにあたしには見えないし……やっぱり凄いんだなぁ……」
 
 今のルーシィに見えているのは……その異名通り、黒い残像と光のみだった。呪歌の体に小さな傷が幾つもできていることから、呪歌の近くにいるのだろうが……姿は見えないのだ。
 因みに、エルザに割り込まれたハッピーは涙目になって抗議をしていた。
 
「……ところで、エルザ……」
「何だ、ハッピー?」
 
「ワタルの事になるとエルザって饒舌だよね、それってやっぱモガガガガ……!」
「……ん? ルーシィ、お前も何か聞きたいのか? うん?」
「いえ、なんでもありません!!」
 
 ハッピーの出歯亀精神を圧し折ったのは、エルザの容赦ないアイアンクローだった。
 もちろん、それを目の当たりにしたルーシィには、それ以上踏み込む度胸は無く、ただ従った。
 
 
 まあ、それはそれとして……ワタルの方も、戦況が動こうとしていた。
 
『ええい、ちょこまかと……!』
 
――……決定力不足だな……切っても、片手の“魂威”でも……この巨体だ、ダメージは少ない。
 
 張り付けば大きな攻撃は喰らわないものの、こちらも小ぶりな攻撃しか出せない。そのため、幾つか呪歌の体に穴をあけてはいるが、倒れる様子は無かった。
 
「だったら……これでどうだ!?」
 
 忍者刀から鎖鎌へ換装。スピードは遅くなったものの、五感の強化によって攻撃を躱していき……隙を見つけた。
 
「ッ、そこだ!」
『!? 上ってきた!?』
 
 肩に上って、鎌を呪歌の口に引っ掛けると、全力で呪歌の後方へジャンプして、鎖を引っ張る。
 そうすれば当然……
 
「うおらああぁぁあ!!」
『グッ、後ろに……ウオッ!?』
「あの巨体が……倒れた!?」
 
 呪歌の巨体は後ろに倒れた。いわゆるアオテンだ。
 そしてそれは……又とない程の攻撃チャンスだった。
 
「今だ! “魂威・爆”!!」
 
 カッ……ドゴオオォォォン!!!
 
『ゴォアッ!?』
 
 “魂威”による光が一瞬光った後、呪歌の胴体で爆音が響いた。
 
 “魂威”とは、魔力を放出、もしくは直接流し込む技である。そして“魂威・爆”とは、流し込んだ魔力を、体内で爆発させる、という殺傷能力の高い危険な技なのだ。
 “魂糸縫合”と同じ、とまではいかないが、それなりに集中力と繊細なコ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ