ララバイ編
EP.10 X784年、物語の始まり
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、エルザ、グレイ」
出て早々、慌てた様子のエルザの声に、ワタルが説明を促すと、エルザとその場にいたグレイは説明を始めた。
闇ギルド・鉄の森、奪われた集団呪殺魔法・呪歌、狙いはクローバーで定例会をしているギルドマスター……。
エルザの説明が終わった時、ワタルは眉を潜めながら言った。
「――――そして、お前たちは魔風壁によってオシバナ駅で立ち往生、か……情けねぇな」
【うぐ……ああ、そうだ。だから……】
「ああ、分かった。マスターたちには知らせるよ。……それと、奴らの中に解除魔導士がいるはずだ、そいつを探して魔風壁を解除させるんだ」
【解除魔導士? ……ッ、そうか!】
ワタルの言葉に首を捻ったエルザだったが、すぐにハッとした。
ワタルは頷くと、言葉を続けた。
「理解したようだな。集団呪殺魔法を引き起こす程強力で危険な魔笛だ、封印されていた可能性が極めて高い。それが解除されて奪われた、という事は……」
【鉄の森の魔導士の中に解除魔導士がいる可能性が高い! そういえば……】
「心当たりがあるようだな……こちらも対処する。そっちもベストを尽くせよ」
【ああ……ありがとう、ワタル】
「……これぐらい、礼には及ばないさ。じゃあな」
そういうと、ワタルは通信を切って会場内へ歩いて行った。
――しかし、まぁ……二週間ぶりの会話がアレとはな……。
らしいといえばらしいのか? と思っていると、マカロフのところに着いた。
「ぬおっ!? 今までどこにいたのじゃ、ワタル!? 早速で悪いがエルザ達を……」
「そのエルザ達ですが……町一つ云々は大丈夫ですけど、少々厄介な事になってまして……耳を」
「……なんじゃ?」
「実は――――」
慌てているマカロフに対して、ワタルは小声で説明をした。
普通に話せば、パニックになる可能性があったからだ。
「――――という訳です。逃げるなり、鉄の森を迎え撃つなりしないと、結構危険ですよ」
「フム……なら――――」
マカロフの言葉に、ワタルはにやりと笑うと首肯した。
「了解です、マスター。それで行きましょう」
「なんじゃ、心配はしてくれんのか?」
「分かってるくせに……」
ワタルは笑うと、力強く、自信を持って言った。
「ギルドの仲間は家族。その絆は何よりも固く、強い。そう教えてくれたのは……貴方ですよ、マスター。なら、俺は信じるだけです」
「そうか……ならいいわい」
笑うマカロフを背に、ワタルは背中を向けて森の方に歩いて行った。
――ホント、このギルドは退屈しないというかなんというか……いて楽しいね、まったく…
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