ララバイ編
EP.10 X784年、物語の始まり
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、頭痛を堪えながら溜息をついていた。
「マスターマカロフ、マスターマカロフ……」
甲高い声に、ワタルが顔を上げると、何かを咥えた鳥が飛んでいるのを見た。
――ん? 手紙……誰からだ?
「おーい、こっちだ……ありがとう。……ミラから?」
ワタルは鳥から手紙を受け取ると、何かあったのか、と思ってその場で読んだ。
魔力を通せば立体映像が出るタイプの物だが、そのままでも読めるのだ。
――あーあ、これはマズイかもな……。
内容を理解したワタルは、冗談を乗せながらすぐにマカロフに知らせた。
「おーい、マスター。ミラから手紙だってさ」
「何っ!? 早く渡さんかい! どれどれ……」
【マスター、定例会、ご苦労様です】
ワタルから手紙を受け取り、マカロフが手紙に魔力を込めると、ミラジェーンの立体映像が出てきて話し始めた。
「どうじゃ!? これがウチの看板娘じゃ!! めんこいじゃろぉ!?」
「「「おおぉーっ!!」」」
「あらまぁっ!」
「ミラジェーンちゃんか……すっかり大人っぽくなったな……」
【実は、マスターがいない間に、とっても素敵な事があったんです】
「ほう」
“素敵な事”と聞いて、マカロフは声を漏らしたのだが……
【なんとっ! エルザと、あのナツとグレイがチームを組んだんですよ! これって妖精の尻尾最強のチームだと思うんです。一応ご報告をしようと思いまして……それでは〜】
「な……ななななな!?」
「マカロフ!?」
「ど、どうした!?」
ミラジェーンの笑顔から飛び出たとんでもない爆弾に、マカロフは汗をダラダラと掻き、映像が消えた瞬間に、パタッと倒れてしまった。
「……とんだラブレターだな、これは。……本当に現実になるかもな、さっきの……」
――……なんて事じゃ……本当に町一つ潰しかねんぞ……! 定例会は今日終わるし……そうじゃ!! “ストッパー”のあ奴なら……!
ゴールドマインが溜息を吐きながら呟き、マカロフは飛び起きた。
「ワタルッ!! ……あれ? あ奴はどこに行きおった?」
「町一つ、ねぇ……」
ワタルは呟きながら会場の通信用魔水晶を拝借して外に出ると、エルザの携帯型通信用魔水晶に連絡をした。
「――――よう、エル……」
【ワタルか!? 悪いが今は立て込んでて……】
【なぁ、エルザ……ワタルって今クローバーにいるんだろ? だったら……】
【! そうだった! ワタル、定例会に参加しているギルドマスターたちを連れて、できるだけ早く逃げろ!! じゃないと……】
「……厄介事のようだな。落ち着いて話してみろ
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