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EP.9 プレゼントと定例会
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ため、受けるつもりは無かったのだが……その話を聞いたエルザに押し切られてしまい、マスターに「一度は受けておいた方がいい」と言われたのもあって、受けてしまった。
……話を戻そう。今回の俺が来たのは、今回の定例会に先んじて行われる、この授与式に出席するためだ。
因みに、今回聖十に選ばれたのは、蛇姫の鱗所属の“岩鉄のジュラ”ことジュラ・ネェキスさん(23)だ。今の所最年少のはずだ。
スキンヘッドの大男で、強力な土系の魔法を使う。性格は謙虚で、時に厳格だが温厚。内包する魔力は凄まじいものがある。魔導士としても、人間としても尊敬に値する人物だ。
評議員の使者(何故かカエルだった)が姿を消した後、俺とエルザは新・“聖十大魔導”のジュラさんに挨拶に行った。
「お久しぶりです、ジュラさん。今回はおめでとうございます」
「おお、ワタル殿か。いやいや、ワシなどは他の聖十の者に比べれば……」
試験に参加していた者の内、最年少だった俺の事を、ジュラさんは覚えていたようだった。
「ご謙遜を……納得のいく選出だと思います。今日はあなたが主役なんですから、堂々としていてください」
「いやはや、参りましたな……ところで、そちらの者は……」
ジュラさんは俺の後ろにいたエルザに気付いたようなので、紹介する事にした。
「はい。今回妖精の尻尾で新しくS級になったエルザです。……エルザ、こちら今回聖十の一員になったジュラ・ネェキスさんだ」
「初めまして、エルザ・スカーレットです。よろしくお願いします」
「ほう……S級というと、ワタル殿と同じ……その若さで大したものだ」
「ッ! ありがとうございます!」
褒められたのが嬉しかったのか、エルザは笑った。
……むう。なんだか面白くないな……。
まあ、何はともあれ、自己紹介は穏便に終わったようで、俺は次に移ろうとした。マスターからエルザの案内役を頼まれているのだ。
「エルザ、そろそろ……じゃあ、ジュラさんも、また会いましょう……」
「ああ、達者でな……」
次に俺たちは青い天馬のマスターボブのところに行ったのだが……。
「メェーン!! 何と美しい香りだ! 御嬢さん、貴女のお名前は!?」
……なにやら面妖な掛け声とともに、何というか……とても“濃い”男が現れた。
青い天馬のギルドマークが入ったタキシードを着ているのを見る限り、青い天馬の一員か? でも、あそこは美男美女しか入れないはずなんだが……異端児かなにかなのか?
そう考えていると、エルザは後ろに隠れて小さくなってしまった。そのため、必然的にその“濃い”男は俺の目の前にいる訳だが……正直キツイ。
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