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EP.9 プレゼントと定例会
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としたドレスを纏うエルザは、普段のナツ達を沈めたり、ミラジェーンと喧嘩している印象と違い、大人っぽい印象を受けた。
……早い話が見惚れていたのだ、エルザに。
――女の子の成長は早い、ってギルドのマカオやワカバが言ってたが……本当だったんだなぁ……。
「そ、その……あんまり見るな。は、恥ずかしいから……」
ワタルがそんな事を考えていると、エルザは両手で体を隠すようにして顔を赤くした。
「あ……ああ、悪い」
――いかん、いかん……いくら綺麗だったからって、女の子をじろじろと見ていい訳無いからな。
「い、いや……どう、かな……?」
ワタルが反省していると、エルザは似合うかどうか聞いた。
「ああ、似合ってる。一瞬エルザだって分からなかったからな……」
「……そ、それはどういう意味だ……?」
「いつも暴れている姿しか見てなかったからな……その、綺麗だって事だ……」
「ッ! ……そ、そうか……綺麗か……」
そう言うと、エルザは初めはムッとしたものの、後に続いた言葉に、顔を赤くして、そうか、そうか……と頷きながら繰り返した。
そのままエルザは止まってしまったので、ワタルは彼女を再起動させるべく声を掛けた。
「……エルザ、結構注目浴びてるみたいだから、さ……」
「ッ! あ、ああ、済まない」
「気にするなよ……ほら、座れ」
「あ、ありがとう……」
慌てるエルザを苦笑して宥めると、ワタルは椅子を引いて着席を促した。
礼を言って座るエルザに、ワタルは軽く笑うと、自分も着席した。
食事の後、レストランを出たワタルはエルザを女子寮に送っていた。
辺りは雪が降っており、街灯の光が雪に反射して、幻想的な光景が広がっていた。
――マズイな、レストランで渡したかったんだが……もう女子寮が近いぞ……今でもいいか?
そう決心したワタルは、遠慮がちに切り出した。
「……エルザ、渡したい物があるんだが……いいか?」
「え……」
急な申し出に、エルザはドキッとした。ワタルの表情も、心なしか赤く見えたのだ。
「あ、ああ……何だ?」
「その……これ、だ。ちょっと遅れたが……S級昇格の祝いだ」
「……開けてもいいか?」
エルザの問いに、ワタルは黙って頷いた。
「……これは……イヤリングか? 綺麗……」
「ああ。なんでも、魔力を安定させる効果があるそうだ。まぁ、気休めだとは思うが……」
「……でもなんで今なんだ?……ギルドでもよかっただろう?」
「……いや……ギルドだと、他の人の目があるから……その、恥ずかしかったんだよ」
最後の方は小声だったが、エルザには聞こ
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