原作開始前
EP.9 プレゼントと定例会
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っていない事に気付いた。
なので、直感に従って、買う事に決めた。
「そうだな……デザインが気に入ったし、それにするよ」
「はい、ありがとうごぞいます」
ワタルはそのイヤリングを買って店を出た。
マグノリアに戻ったワタルは、ギルドにいたエルザに、レストランで食事しないか、と誘った。
エルザが了承してくれたのを嬉しく思いながら、その日の19時、ワタルはマグノリア内の比較的大きなレストランで彼女を待っていた。
SIDE エルザ
ワタルがS級に上がった翌年、遂に私もS級に昇格を果たした。
ワタルと同じ年齢でS級に昇格できた事を誇らしく思い、次の日一緒に仕事に行こうと思ったのだが……彼は一人で仕事に行ってしまっていた。
マスターには簡単な仕事だから夜には帰ってくるだろう、と聞いたのだが……せっかくS級に上がって、ワタルに少しは近づけた、と思っていたため、がっかりした。
去年の今頃、頬とはいえキスをしてしまってから、どうにも距離を測りあぐねている感じがしていた。
そのため、どうしたらもっと近づけるんだろうか、と考えて溜息を吐いていた時の事だ。
「……エルザ。久しぶりに……二人で食事でもしないか?」
「……え?」
遠慮がちな彼の誘いに、思わず聞き返してしまった。
食事……ワタルと、二人っきりで?
驚いて呆けていると、それを否定と受け取ったのか、彼は残念そうに、続けた。
「いや、その……嫌ならいいんだ……悪かったな……」
「あ、嫌なんかじゃない! ちょっと……その、驚いただけだ」
彼からの誘い。嫌なはずが無かった。……大声を出して、ギルドの者に笑われたのは恥ずかしかったが……。
時間と場所を指定した後、私はにやける顔を抑えられないまま寮に帰った。ちなみに、場所はこの間雑誌で見つけ、ワタルと行けたらなぁ、と思っていたちょっと高級なレストランだ。
ただ、どの服にしようか迷ってしまい、約束の時間ギリギリになってしまった。
うう……怒ってないといいけど……。
SIDE OUT
そして、約束の時間の数分前、ワタルは指定されたレストランで待っているのだが……。
――ここ、なんか雰囲気が上品すぎるんだよなぁ……。女の子ってこういう場所に憧れるのか……? 分かんねぇなぁ……。
騒がしいギルドで普段食事しているワタルには、このレストランの高級な雰囲気は、どうにも落ち着けなかった。
「す、済まない……待ったか?」
「いや、大丈夫……だ……」
聞き慣れた声に、助かった……、と思って振り返ったら……硬直してしまった。
いつもの鎧姿かシックな服装を見慣れていたせいか……黒を基調
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