第三章
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「かじるには少し固いけれどな」
「まあそれは石だからな」
「そうなるな」
「ああ、けれど美味いよ」
彼がそう言うとだった。
周りもこぞって傍にある適当な小石を取って口の中に含んでみた、するとどの石もだった。
「おいおい、林檎だよ」
「こっちばバナナだよ」
「パイナップルの味がするぜ」
「苺だな」
甘い野菜のものもあった。
「いや、どの小石も美味いな」
「そうだな」
「ひょっとしたら」
ここで小石を最初に拾った彼がふと思い立ってだった。
今度は小石より柔らかい土を手に取った、そしてだった。
その土を食べてみる、その味はというと。
「この土メロンの味がするぜ」
「おや、こっちは西瓜だぜ」
「グレープフルーツの味だよ」
周りもそれぞれ土を手にして食べてから言った。
「何か美味いな」
「そうだよな」
彼等はこう言って土を食べていた、そしてだった。
彼等はその場で小石を舐め土を食べ満腹した。その満腹により満ち足りた中でこう話したのだった。
「なあ、この山ってな」
「そうだよな、観光地になるよな」
「食える山ってな」
「しかも美味い」
そうした山だというのだ。
「これって凄いよな」
「ああ、そうだな」
「報告書に細かく書いておくか」
「これはかなりのニュースだぜ」
彼等は口々に言って実際に報告書に山のことを細かく書いた、山のことは忽ちのうちに連合全体に広まった。
これには多くの惑星を開発してきて多少以上のことには驚かなくなっていた連合市民も流石に大いに驚いた。
「食える山!?」
「土も小石も美味いのか」
「そんな山が実際にあるのか」
「本当の話か」
こう言って驚きを隠せない、そのうえで誰もがその山に行き実際に舐めて食べてみると。
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