第一章
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フルーツ
惑星トルユクはリトアニアのごく普通の新たに開拓される星だった、今この星に多くの開拓者達が乗り込んでいた。
彼等はまず自分達の周囲を見回してこう言い合った。
「やっぱり何もないな」
「ああ、そうだな」
彼等が今いる場所は平原だ、傍に川が見える。
ここに今から家にインフラ、そして田畑を作る、その他の設備もだ。
それを今からはじめるのだ。この時代の開拓は政府の全面的な支援を受けた非常に計画的なものになっていた。
その中で彼等は話していた。
「暫くはここで家とか建ててな」
「開拓に開発か」
「仕事は全部政府が用意してくれてるしな」
「中央政府とリトアニア政府がな」
彼等が所属している連合中央政府とその構成国の中の一国であり惑星トルユクを所有しているリトアニア政府がだ。
それで仕事や生活の心配はなかった、それにだった。
「この星は危険な野生生物もいないしな」
「安心して開拓出来るな」
「じゃあ早速かかるか」
「ああ、はじめるか」
彼等は何の不安もなく開拓にかかった、それは極めて順調だった。
トルユクは瞬く間に人が住み活動を行う惑星になっていた、その中で。
開拓者達はある山に来た、そこはというと。
「この山がこの星で一番高い山だな」
「ああ、草木はないがな」
「それでもここが一番大きいんだよ」
「この山がな」
こう口々に話す、そしてだった。
彼等はその山を昇り探検していく、その中で。
探検者の一人ヤン=ミンチョンがこんなことを仲間達に言った。
「おい、何かな」
「何か?」
「何かやばい生き物でもいたのか?」
「いや、いい匂いがしないか?」
こう仲間達に言ったのである。
「何かな」
「いい匂い?ああ、そうだな」
「そういえばさっきからするな」
仲間達も彼に言われて周りをかいで言った。
「何か甘い、美味そうなな」
「果物みたいな匂いだが」
「誰かが持って来た果物か?」
「それかジュースか?」
果物のジュースではないかという意見も出る。
「それかお菓子かな」
「それの匂いか?」
彼等はそれぞれが背負っているリュックの中を開いた、そこには確かに果物やジュース、それにお菓子があった。
そうしたものはあったがそれでもだった。
「匂いが違うな」
「ああ、この匂いはな」
どういった匂いかというと。
「葡萄みたいな匂いだよな」
「林檎もあるな」
「他に苺か?」
苺は野菜だが甘いということから彼等は果物とみなしていた。
「そんな匂いだからな」
「ちょっと違うな、俺達が今持ってる果物やジュースとは」
「菓子ともな」
彼等はバナナや蜜柑を持っている、どれでもなかった。
それで彼等は首を傾げさ
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