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ドラゴンシティ
第五章
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そして諸君等にここに来てもらった理由だが」
「何でしょうか」
 総督は内心身構えた、彼は表情は出してはいないがそれでも警戒はしていた、やはり危険も頭の中に入れていたのだ。
 その覚悟を胸に置きドラゴン王を見上げる、そのうえで問うたのである。
「それは」
「条約を結びたい」
「条約を?」
「そうだ、諸君等の町と条約を結びたいのだ」
 つまり外交関係を樹立したいというのだ。
「そうしていいだろうか」
「条約ですか」
「友好的カツ相互援助的な条約だ」
 条約といっても様々だ、ドラゴン王が今言う条約はこうしたものだった。
「それを結びたい」
「そうですか」
「君達人間との友好関係は我々にとっても有り難いものだ」
 これは五人、ドラゴンに好意的な立場の学者や書記にとっても意外な言葉だった。二人もその言葉に目を丸くさせていた。
 それで学者がこうドラゴン王に尋ねたのだった。
「あの、ドラゴンは」
「強大だというのだな」
「そうです。この町の数だけあれば」
「魔界も占領できるというのだな」
「その通りです。それで何故人間と友好的な関係なぞ」
 築き上げる必要がないというのだ。これは学者だけでなく他の面々もそう考えていた、だがドラゴン王はこう言った。
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