第四章
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「ですから」
「今更心配はないかと」
「では招きに応じるべきだというのですか」
「ドラゴン達の」
「はい、そうです」
「そうしていいと思います」
学者と書記はこう司祭と騎士に述べた。
「ドラゴンの文化が細かいところまでわかりますし」
「それに友好も深められるかも知れません」
「だからここはです」
「招きに応じましょう」
彼等はあくまで主張し支持する者達も出た。だが司祭と騎士も主張し二人を支持する者も多かった。町は二分された。
判断は町を治めることを王から委ねられているこの町の総督に委ねられた。総督は熟考の末こう述べた。
「まずは私一人で行ってみよう」
「総督がですか」
「お一人で、ですか」
「そのうえで招きに応じよう」
そうするというのだ。
「三日だ。三日経って来なければだ」
「その時はですか」
「ドラゴン達が」
「そう考えていいだろう」
こう町の者達に話したのである。
「これでどうだろうか」
「はい、それでいいかと」
最初に答えたのは書記だった。
「ただ。お一人で行かれるのは体裁がありますので」
「何人か共に行くべきか」
「私がお供します」
「私もです」
学者も名乗り出てきた。
「お供します」
「二人が来てくれるか」
「護衛が必要ですね。それでは」
「我々も」
司祭と騎士も名乗り出た。二人はいざという時に総督を守り逃がすことを考え名乗り出た。総督はこの四人の名乗りを受けて言った。
「では行こう、四人だ」
「はい、それでは」
「共に」
四人も総督に応えて頷いた。こうしてだった。
五人でドラゴンの町に入った。するとまずは。
魔法で大砲が動かされ歓迎の祝砲が何発も鳴った。それを合図として。
巨大なドラゴン達が彼等の何もかもが巨大な町に入って来た五人を囲んで礼儀正しくこう挨拶をしてきた。
「ようこそ、ドラゴンの町に」
「よく来て頂きました」
「お招きに応じて頂き感謝します」
「ではこちらに」
ゴールドドラゴンのうちの一匹が一行を四角い町の奥、宮殿の方に導いた。五人はその大通り、やはり巨大なその中を歩いていく。
道の左右には様々なドラゴン達が並んでいる。そのドラゴン達を見回しながらまずは学者がこう言った。
「どうやら危険はない様ですな」
「そうですね」
書記が学者のその言葉に頷く。
「歓迎してくれています」
「やはり我々の見立て通りですね」
「そうですね」
「いや、まだわかりませんぞ」
「そうです」
自分達の意見が正しかったと喜ぶ二人に司祭と騎士が言う。
「宮殿の中で何をしてくるか」
「わかったものではありませんぞ」
「ですからそれならとっくの昔に我等は死んでいます」
「彼等に殺されています」
ドラゴン達に
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