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エレベーターガール
第一章
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                    エレベーターガール
 最近は少なくなったという、だが。
 この八条百貨店本店には今もエレベーターガールがいる、これは所謂百貨店通にとっては有り難い話だった。
「やっぱりエレベーターにはいてくれないとな」
「そうだよな、寂しいよな」
「華がないんだよ、いないと」
「寂しいんだよな」98
 こう言われる、しかしだった。
 まだ若い面々、今時の高校生達の中ではこんな感じだった。
「エレベーターガール?何それ」
「あのエレベーターの案内してくれるお姉さんだよな」
「あれもう全然いないよな」
「百貨店も不景気だしな」
 身も蓋もない言葉も出る。
「八条百貨店は余裕あるけれどな」
「もう駅前とかの百貨店の時代じゃないしな」
「今時もうな」
「いなくてもいいだろ」
「エレベーターなんて使えればいいだろ」
 こんな極論も出た。
「まあ八条百貨店はものも揃ってるけれどな」
「だからよく行くけれど」
「エレベーターガールはな」
「どうでもいいよな」
「本当にな」
 こうそれぞれ話す、そしてそれは彼もだった。
「百貨店は好きだけれどな」
「エレベーターガールはか」
「どうでもいいんだな」
「ああ、そうだよ」
 濃い黒い眉に黒髪をショートの感じで七三に分けている。額はやや広いだろうか。
 目ははっきりとしていて横に流れる感じだ、唇はしっかりとしていて顔つきは引き締まっている、。背は一七五位で黒のブレザーの制服がよく似合っている。
  名前を名護晋太郎という、その彼がクラスの友人達に答える。
「というかな。今時だろ」
「エレベーターガールもか」
「古いっていうんだな」
「年上のお姉さんは好きさ」
 男子高校生にとって憧れの対象の一つではある。
「それでもな」
「エレベーターガールはか」
「興味ないんだな」
「ナースとかフライトアテンダントとかな」
 晋太郎は楽しげに笑う、その顔は風俗の話をする中年親父のそれに近かった、見れば周りの話を聞く友人達の顔も同じだ。
「そういうのはいいけれどな」
「秘書もいいよな」
 一人がこの職業も出した。
「タイトのミニに眼鏡で」
「ああ、それもいいよな」
「タイトのミニってそそるよな」
「しかも下はガーターでな」
「下着は黒で」
「俺もそういう方がいいよ」
 晋太郎も煩悩全開で言う。
「けれどな」
「エレベーターガールはか」
「そっちはか」
「OLのお姉さんも好きさ」
 意外と以上に守備範囲の広い晋太郎である。
「教えてあげるとかな」
「おお、それだよ」
「学校の先生でもいいな」
「うちの学校じゃ小清水先生とか原田先生とかな」
「特に原田先生の胸いいよな」
「あれ山みたいだぜ」
 男子生
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