GGO編
百九話 衝動の絶叫 罪の吐露
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肩をすくめる。
「その方が、分かり易いからな……今でこそ死銃なんつーガキみてえな名前名乗ってるが……向こうでの彼奴は、《ラフィン・コフィン》っつー、レッドギルドに所属してた野郎だった」
「レッド、ギルド……?」
その言葉の意味、何処か分かるような気がしつつもシノンはあえて聞き返した。
理解が正しいとは限らないから……いや、それ以上に、理解したく無かったのだと思う。
「SAOん中じゃ、他人を傷つけたり、システムに認識される盗みなんかをするとな、カーソルがオレンジに変わって、そう言う連中は《オレンジプレイヤー》って呼ばれてた。んで、このオレンジ連中の集団が《オレンジギルド》って訳だ。そんでもって……」
リョウは其処で少しだけ息継ぎをするように言葉を止めた。とは言っても、この世界で呼吸は必要無いので、それが少しだけその先を言うか迷ったのだと言うことはシノンにも分かった。
「その中でも、PKを積極的に楽しむ奴等の事は、《レッドプレイヤー》っつー風な呼び方をしててな。まぁその呼び方自体連中の方が名乗りだしたらしいが……とにかくだ。その集団が、ラフィン・コフィンみてえな《レッドギルド》だったわけだ」
「PKって……」
呆然とした様子のシノンに、リョウは途切れず緊張も無く、まるで世間話でもしているかのような調子で話を続ける。
「PKはPKだ。連中はフィールドとかダンジョンで他のプレイヤー襲って、金とアイテム根こそぎ奪っては相手のHP全損させるっつーのを繰り返してたわけ」
「でも、あのゲームでHPが無くなったら、現実の人間も……」
「死ぬ。……だからこそ、かもしんねえな……人の本質ってのは綺麗になんか出来てねえ。罰され無いって分かった途端、殺人に快楽見出す奴が出て来ちまったんだよ。それも、十人二十人じゃねえ。百人単位でな」
「…………」
完全に、シノンの身体は固まっていた。そんな事が有ること事態、想像したことすらなかったからだ。
しかし今、リョウの言葉を聞いて、シノンは一瞬だけイメージする。
あのゲーム……SAOに捕らわれた人々は、約一万人。内、初めの1ヶ月で二千人が死んだと言う。つまり、単純に計算して、八千人の内百人以上の人間が、この現実世界では普通の人間として生きていたであろう人々の中の、それだけの数の人間が、法律やモラルと言うルールから解放された途端に、殺人に快楽を見出す異常者と化した。
八千人の内の、百人。全体の1.25%……四百人に、五人の確率……
不意に、自分の前に要るリョウと目が合った。その瞳から、目が離せなくなる。
先程リョウが自分で言った言葉が、頭の中で反響する。
『人を殺した。それも……一人二人じゃねぇ』
まさか、と思って……しかし直ぐにその考えを頭
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