GGO編
百九話 衝動の絶叫 罪の吐露
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。ま、俺は良いさ。それよか大変だったのはこいつ等だろ」
「あははは、まぁ……」
「えへへ〜……でもなんか、得した気分……」
後ろでキリトとアイリも苦笑する気配がした。ようやく二人の存在を思い出したシノンは顔を真っ赤にしてリョウの下から飛びのくか一瞬迷ったが、今更慌てる方が格好が付かないと判断して、そのままリョウに寄りかかる。
そのまましばらくシノンの頭を撫でていたリョウは……不意に、真剣身を帯びた声で、言葉を紡ぎ出した。
「シノン……今から話すことは……全部本当だ」
「え?」
「それを聞いてお前がどう思っても、俺はお前に対する態度を何一つ変えねぇ。……俺を嫌っても構わん」
「な、何?突然……」
突然なうえに、少々内容が物騒であったためか、シノンは体を起こし、リョウの顔を正面から見た。その瞳にはただ真剣な光だけがこもっていて、シノンは思わず身構える。
「俺もな……お前と同じだ」
「え……?」
「俺も人を殺した。それも……一人二人じゃねぇ」
「……っ!?」
一瞬沈黙してしかし、即座にその言葉の意味と、息をのみ込む。
「二年前と去年、俺、御袋の墓参り行かなかった事……覚えてるか?」
「う、うん……どうしたんだろうって思ってた……」
小さく頷いたシノンに、リョウは続ける。その瞳は相変わらずシノンをしっかりと見ていたが、しかし先程までと比べると何処か遠くを見ているような目だった。
「その時な……俺ぁずっとVRMMORPGの中に居たんだ。三年前から去年まで稼働してたVRMMO……タイトル、分かるか?」
答えるまでの間は、殆ど無かった。何故ならその期間稼働しているVRMMORPGは、歴史上、たった一つしかないからだ。
「《ソードアート・オンライン》……」
「正解」
道理で母親の墓参りに来ない筈だった。そもそもこの世界にすら、彼は居なかったのだ。
「今俺達を狙ってる死銃も、元々そのゲームのプレイヤーでな……まー、不本意ながら会ったことも有るかも知れん。まだ直接会ってねえから分からねえけど……」
「死銃も……って、じゃあキリトも?」
シノンが彼の方を見るとキリトはばつが悪そうに頬を掻く。リョウが首を傾げた。
「ん?何で分かった?」
「前に死銃と別のゲームで顔見知りだった……って……」
「成程な……」
苦笑しつつ、もう一度キリトを見やると、相変わらず頬をかりかりやっていた。それから一瞬だけアイリを見たが、彼女は何処か複雑そうな表情でキリトをみており、すぐに目線を正面に移す。
「さて、んじゃあ俺の話をする下準備に、まずは死銃の話からするか」
「え……?」
のんびりと、そんな事を言ったリョウに、今度はシノンが首を傾げた。疑問の光を宿した瞳で自分をみる彼女に、リョウは
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