GGO編
百九話 衝動の絶叫 罪の吐露
[5/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
のか!!その彼奴の目ぇ見て、今の台詞が吐けんのか?アァ!!!?」
「そ、それは……そんなの、今言い出すなんて卑怯でしょう!!!?」
「卑怯も糞もあるか!こっちはお前が生きるか死ぬかの話してんだぞ!!」
「う……」
シノンは言葉に詰まる。そこに、更にリョウの言葉が飛んだ。
「一人で戦って一人で死ぬ!?馬鹿も休み休み言え!テメェが死ぬって事はな、美幸の中に居るお前も、俺の中に居るお前も、お前が今まで出会った全員の中に居るお前が死ぬってのと同じ事だ!もう既に一人じゃ居られねぇ人間が、今更一人で死ぬなんざ出来る訳がねぇ!」
「だってその中の誰一人も、私と一緒に戦ってくれる人なんて居なかった!!」
「今ここに俺が居るだろ!!」
「それは結果論でしょう!?それにリョウ兄ちゃんは、私に戦うなって言った!」
「お前のトラウマとの戦いが本当に死ぬ恐怖と闘う物である必要はねぇだろう!なんでそれが分かんねぇ!?」
「違う!今アイツと戦わなきゃいけないの!!そうしなきゃ私は……!」
「お前のトラウマの原因にアイツを重ね合わせんなよ!!お前がトラウマと戦う事と、アイツと戦う事は別の問題だろうが!」
「だって……だって……!」
言いながら、シノンは嫌々するように頭を振った。その眼からいつの間にか幾つもの水滴が滴り落ちている事にも、それが涙である事にも、彼女は気が付かなかった。
「アイツに勝てないと……戦わずに、逃げたりしたら、私はきっともうダメになる!!!」
それは胸の内に湧き上がった救いを求める心と、自らの破滅を願う衝動とが混ざり合ったような、混沌とした叫びだった。
「この世界でなら、私は銃を怖がらずに居られたの!だからこの世界で一番強くなれば、全部忘れて。現実の私も強くなれると思ったのに……なのに、アイツに、アイツに襲われた時、発作になりかけてた!!このままじゃ……このままじゃ私、もう普通に生きる事も出来なくなる!!もう、怯えたままなんて、生きて居たくない!!!」
そう言って、シノンは、リョウの胸に顔を押し付けるとその胸をどかどかと叩いた。もう、頭の中が滅茶苦茶になっていた。
「お、おい……」
肩に触れたリョウの手を、思い切り振り払う。
「わ、私は……もう、普通にリョウ兄ちゃんの前に居るのがおかしいくらいなんだよ……!?だって、だって私、人殺しなんだよ!?」
「…………」
その言葉に、リョウは動かずにそのままそこに硬直する。いつの間にか膝から力が抜け、それに合わせるようにリョウが屈んだ事で、シノンはリョウに寄りかかるような形でその場でしばらく泣いて居た。
────
「……ごめんなさい」
リョウによっかかったまま、シノンは小さく言った。
頭の上で小さく苦笑する気配。
「ははっ、急にしおらしくなったな
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ