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SAO─戦士達の物語
GGO編
百九話 衝動の絶叫 罪の吐露
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たら、誰にあの拳銃を向けるか分からないからな……」
「あぁ、そりゃそうか……」
落ち込んだようにリョウがそう言ったが、そもそも先程の言葉が冗談めかしていたので初めから彼も分かっていたのだろうことは知れていた。

「…………そう」
「…………」
シノンは小さな言葉でそれだけを返し、アイリは息を吐くように黙りこくる。

「さて、と、んじゃ行くかぁ」
「だな……」
キリトはリョウに返しつつ光剣のバッテリー残量を確認し、リョウはXMのコッキングレバーを引いてガシャッと音を鳴らす。ついでにM2の使い所を考え始め……

「……私……」
しかしその思考を、シノンの声が遮った。

「ん?」
聞き返したリョウの言葉に、呟くようなシノンの言葉が返ってくる。

「……私、逃げない」
「……えっ?」
「シノン……?」
「あ……?」
シノンはキリトやリョウ、アイリと目を合わせずに呟くように言った。

「逃げない、此処に隠れない、外に出て、私も彼奴と戦う」
「し、シノン!?」
「おいおい……」
戸惑ったようにアイリとリョウが言った。それに続くように、キリトが言う。

「駄目だ、シノン。彼奴の拳銃に撃たれたら、本当に死ぬかもしれない。俺は完全な近接型だから、防御スキルも色々あるし、兄貴となら互いの動きも分かってるからちゃんと連携取って互いをカバーできる。だけど君は違う。ゼロ距離から奇襲を受ければ、危険度は俺達の比じゃないだろ」
「だな。情けねぇ話しだが、いくらなんでも、今度ばっかりはお前の事カバーしながらはちときつい」
顔をしかめながら言ったリョウに、シノンは相変わらず静かに返す。

「してくれなくて、良い」
「はぁ?」
「一人でも、戦えるから」
そう言うと、シノンはゆっくりと立ち上がり、そのまま出口の方へ向けて歩きだそうとする。

「ちょっと、ま……」
「し、シノン待って……!」
「おいちょっと待て……!」
三人は止めるがシノンはそのまま歩いて行く。しかし……

「“詩乃”!」
リョウの上げたこの声で、シノンが足を止めた。
その隙にリョウがシノンの片腕を掴む。シノンはそのまま振り向くと驚いたような。顔で此方を見た。その顔を見て初めリョウは自分が一文字を付け加え忘れた事に気が付いたようで、顔をしかめる。

「……どうして……」
「……Bobが終わるまではやめとくつもりだったんだがな……」
「え……?」
片手で頭を掻くと、リョウはシノンの腕を掴んでいた手を離し、顔を上げて正面からシノンと向きあう。

「……俺が誰だか……分かるか?」
リョウのその問いに、シノンは一瞬目を見開いた後、かすかに首を横に振った。

「……子供の頃も、同じHNよく使ってたよね」
「あぁ……さっきぶりだな
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