GGO編
百九話 衝動の絶叫 罪の吐露
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初めに立ち直ったのは、アイリだった。立ち上がり、焦ったような言葉で怒鳴るように言う。
「そ、そんな事言ってない……!!」
その言葉に対して、あっけらかんとした様子でリョウは答えた。
「……そだな。今そんな冗談言ってる場合じゃねぇわな」
「え……」
不意に声を出して笑ったリョウには、もう先程の雰囲気は残っていなかった。
「え、兄貴、今の話って……」
「あぁ、いや。ちっとな。気にすんな気にすんな!それよか、する事有るだろ?」
そういって、リョウは強引に話しを切り替える。それは話しの展開の持って生き方として相当に強引な話しだったが、しかし、キリトは正面から見たリョウの目に「これ以上聞くな」と言う無言の意思を察して、会えてそれに乗った。
「そ、そうだな……とにかく、彼奴を倒さないと……」
「えっ……?」
立ち上がりながらそう言ったキリトのその言葉に反応したのは、今度はシノンの方だった。
「彼奴と……死銃と、一人で戦うの……」
「そ、そんな……!?」
シノンの言葉に、アイリが再び立ち上がりかける。いかにも「危険だ」と言い出しそうな顔だった。
そんな二人に、キリトは苦笑しながら頭を掻く。
「いや……一人じゃないよ。多分ね」
「おーい、何で其処で “たぶん”を付けんだよ。どんだけ薄情だ俺は」
「っはは、だよな。と言う訳で二人だ。なんとかするよ」
そう言って首をすくめたキリトに、アイリが食いつく。
「じ、じゃあ私も……!」
「お前は残れ」
言おうとしたアイリの言葉をリョウが遮る。
「な、なんで……!?さっきの事……!?」
「チゲぇよ。つっても今更信頼も糞も無ぇか……」
そう言うと、リョウは少しアイリに近付いて、耳打ちをした。
「俺達が居なくなるとこの洞窟でシノンをガード出来る奴が居なくなる。しばらくお前らはここで休んで、俺達が死銃をぶっ飛ばすまで待っててもらいてぇんだ。それに、万が一にもさっきの“アレ”戦闘中に出されちゃ困る」
「う……」
言葉に詰まるアイリに、リョウは苦笑する。
「ま、お前の場合さっきみてぇなカーチェイスよりこっちのが向くだろ。ここに仕掛けて来るとなったらあちらさんも近接だしな。拳銃に気を付けつつ、なんとか耐えてくれや。音が聞こえりゃ駆けつける」
「え、う、うん……」
予想外に好的な言葉に、戸惑いつつもアイリは頷いた。胸の内には困惑とが渦巻き、ますますもってリョウの事が分からなくなっていたが、それでもシノンを守ると言う部分に関しては彼と意見が合致していたからだ。
「……あなたでも、彼奴が怖いの?」
不意に、シノンの声が聞こえてアイリとリョウはそちらを向く。
キリトとシノンが向かい合って何かを話していた。シノンの問いに、キリトが答える。
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