襲われる兎
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欲しくはない」
おそらくそれは本気だろう。
「自惚れるのもいい加減にしろ、織斑千冬」
―――ズガンッ
発砲が辺りに響くと同時に織斑千冬は倒れた。
「……か……ぜ……み……」
「安心しな。撃ったのは麻痺弾だ。後遺症もなく時期に元に戻る」
それだけ言って俺はゴミを殺すために後を追った。
■■■
「ちょっと待ちなさいよ!」
辺りに鈴音の怒鳴り声が響く。
「……嫌」
「いいから、待ちなさいっての!」
鈴音は追っていた相手―――簪の腕を掴んだ。
「アンタ、どうして今日の試合に出なかったのよ」
「……一人……増えたところで……祐人に勝つことは…無理だから…」
「そんなの、やってみないとわからないじゃない!」
「……それは……あなたが彼を……よく知らないだけ……」
簪がそう言うと鈴音は引っぱたこうとする。彼女にとっては闘魂打ちのつもりだった。
―――ザザザ、ドンッ
その時、何者かが鈴音にぶつかって二人は弾き飛ぶ。
「っ痛ぅ。誰よ!」
「そっちこそ誰だよ。この天才束さんの邪魔するとはどういう神経しているんだよ」
「―――え?」
ぶつかった相手はなんと篠ノ之束だった。
「まぁいいや。今は逃げないと―――ん?」
束は簪に気付いた。
「(……こいつ、あのゴキブリと一緒にいた……)おいお前、ちょっと死んで」
「え?」
束は言うや否や、懐から銃を出してそいつに向ける。
「殺すのは心苦しいけど、邪魔だから―――」
―――ガンッ! ドンッ!
銃口を引こうとした瞬間、彼女は殴られて大木にぶつかった。
「もう! 一体誰―――!?」
その姿を見た束は目を見開く。そこには右手を悪魔の様に形を変えていた祐人が現れた。
「嘘……!? 何で………ちーちゃんは……?」
「今頃保健室でおねんね中」
「「え!?」」
祐人の言葉に反応を示したのは束と鈴音だった。そして簪に至っては、
(たぶん、スタンガン)
何を用いたのかを考えていた。
「ところでさぁ、自称天才」
「はぁ? 束様は十全の天才なんだよ。これだからゴキブリは―――」
「ふ〜ん。自分の発明が認められなくて白騎士事件を起こし、結局は兵器としか見られてないじゃないか。それでどこが十全だって言えるんだ? それに―――お前がいう低レベルにことごとくとアンタの作戦を打ち破られたのに………」
「………」
何も言えないのか、彼女は徐々に自分の下唇を噛んでいった。
「まぁ、他人と馴れ合えない時点でお前は―――十全じゃないんだよ、欠陥人間。ISだってそうだ。女にしか扱えない時点で
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