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EP.8 ワタルのS級試験(後編)
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て、心をどう持つか、だが……これにもマカロフは、十分だと判断したため、ワタルに合格を言い渡した……という訳だ。
ワタルはこの結果に喜んで……
「ふざけんな!! ドッキリかよ、このS級試験!!」
……いるはずもなく、目じりに水滴を滲ませながら、吠えた。
「アーハッハッハッハッ! なーにが『俺は恐怖から逃げたりはしない(キリッ』だ。あ、駄目だ、また……プクク……アーハッハッハッハッ……」
「――――ッ!! ラクサス! テメエこの野郎、待ちやがれ!!」
思い出してまた笑い始めたラクサスを、ワタルが鬼の形相で追いかける、という去年の逆の光景を見ながら、マカロフはギルダーツに話し掛けた。
「……どうじゃ、ギルダーツ。ワタルの様子は……?」
「そうだな……力も問題ないし心も強い。それに……」
そこまで言うと、ギルダーツは一旦言葉を切って笑って言った。
「……間違いなく、妖精の尻尾の魔導士だよ、アイツは」
「そうか……。……おい、貴様等! 寒いからさっさとギルドに帰るぞ!」
マカロフは、ギルダーツの答えに満足したように笑うと、雪の中で魔法を駆使した命懸けの鬼ごっこをしている2人に声を掛けた。
かくして、無事にワタルのS級魔導師昇格試験は“合格”という形で幕を下ろした。
当然ながら、ワタルは結果だけを伝え、試験の詳細はエルザにすら話そうとしなかった。
= = =
SIDE ワタル
「あー、頭痛え、気持ち悪ぃ……」
「飲みすぎるからだ、馬鹿者が……」
霊峰ウェルスから帰ってきた次の日の夜。
俺は頭痛が酷く、エルザに肩を貸されて自宅まで歩いていた。
原因は飲酒だ。フィオーレでは15歳で飲酒が許可されるらしく(といっても、13歳のはずのカナは飲んでいたが)、S級昇格の宴で、初めてにも拘らず、結構派手に飲んでしまったのだ。
お酒って怖い……。皆も気を付けような! ……皆って誰だ……。
因みにエルザは今現在14歳なのだが……未だに俺の家に押しかけてくる。
少女から女性へ成長の真っ最中のエルザが、朝起きたら同じベッドにいる事もしばしば……。
本当にどうしようか、と悩み、ただ今検討中だ……おもに俺の理性が問題で。
今だって肩を貸してもらってるけど、髪もいい匂いだし……って、そうじゃなくて!
「……サンキュー、エルザ。ここでいいよ」
「え?」
いや、なんで「こいつは何を言ってるんだ?」って顔をしてるんだ? お前は……。
「いや、え? じゃなくて……」
「私も泊まるぞ」
「……一応聞いておこうか、どこに?」
「ワタルの家に」
こいつはまた……。
「だから、い
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