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EP.8 ワタルのS級試験(後編)
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……。
「それに、妖精の尻尾が教えてくれたんだ。仲間と歩み続ける事は決して弱い事じゃない。ある程度なら恐怖は分かち合えるし、一緒に立ち向かうことだってできる。だから……」
そう言うと、ワタルは構えた。
「俺は恐怖から逃げたりはしない。恐怖には立ち向かい、例え小さくても、自らの“勇気”で以て打ち勝つ! 一人じゃ駄目なら仲間と一緒に立ち向かう。それが俺の答えだ!!」
「……なるほど……」
スウウゥゥゥゥ……
「? ……ギルダーツ?」
そう言うとギルダーツは魔力を収め、ワタルは何をするのか、と思って尋ねた。
「……合格だ」
「…………はい?」
何を言われたのか分からなかったワタルは呆けた顔をした。
――……え? 意味が分からない……今なんて言われた? 合格? え、なんで?
「いや、だから合格だって」
「あー、もう1度言うけど……はい?」
ワタルがもう1度、ギルダーツに聞き返したその時だった。
「ククク……アーハッハッハッハッ! 何呆けた顔してやがるんだ、ワタルよ? プクク……」
「……ラクサスよ、そんなに笑うでない。……しかし……プクク……」
突然、爆笑しながら現れたラクサスとマカロフに、ワタルには何が何だか分からなくなった。
「え……どういう事?」
「だからS級試験合格だって言ってるだろ」
「それはいいんだよ、オッサン! いや、よくないけどさ……。ラクサス、テメエいつまで笑ってやがる!それとマスター! 合格条件はロケットを奪う事じゃなかったのか!?」
「いや、違うぞ」
「ハァ!?」
ワタルは尚もヒーヒー言ってるラクサスを蹴飛ばすと、マスターに詰め寄って尋ねたが、その答えにますます混乱した。
「いや、だってアンタ……」
「試験内容はロケットを奪う事、と言ったが、合格条件もそれだ、とは言っておらんじゃろう?」
「な!? ……って事はつまり……」
そう言うと、マカロフは笑って言った。
「うむ、S級昇格おめでとう、ワタル」
話を聞いてみれば……試験官は本当はギルダーツ一人だけで、ラクサスはワタルが飛び出した後、家に戻っており、監視魔水晶でマカロフと共に試験の様子を観戦していたそうなのだ。
もし、ワタルが難関を避けてラクサスを探そうとするようなら、その時点で失格。理由は……S級にもなれば、避けられない困難などざらにあるからだ。これが一次選考。
結果として……ワタルは初めからラクサスという選択肢を捨てて、ギルダーツに挑み掛かったため、ここで落とされる事は無かった。
そして二次選考は、戦闘力が十分かどうかと、越えられない壁に対し
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