原作開始前
EP.7 ワタルのS級試験(前編)
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…待ってろよ……ギルダーツ!!」
索敵を開始。それと同時に、思い出したのは、彼に初めて出会った時の事だった。
あの、鮮烈な力と光に触れたあの時だ。
= = =
ゴーン! ゴゴーン! ゴーン! ゴゴーン!ゴーン! ゴゴーン!……
「何だ、この鐘? 分かるか、エルザ?」
「いや、分からないな……」
ナツが妖精の尻尾に入る前だったから、今から4年と少し前だったと思う。
突如、鐘の音が響き、ギルドや町の様子が興奮したように騒ぎ始めたのだ。
「帰ってきたのか……!」
「帰ってきたって……誰がだ? グレイ」
「誰がって……ああ、そうかお前らは知らなかったな」
近くで騒いでいたグレイを捕まえ、尋ねて驚いた。
このギルド最強の男、皆があのオヤジと呼ぶ男、ギルダーツ・クライヴという男が帰ってきたそうなのだ。
ゴゴゴゴゴ……!
「な、なんだ!?」
「じ、地震か!?」
急に響いてきた地響きに俺とエルザは驚き、慌てて外の様子を見て、さらに驚いた。
「「街が……割れた……!?」」
家の配置が変わって、ギルドとマグノリアの入り口が一本道で繋がったのだ。
「ギルダーツは粉砕っていう魔法を使うんだけど……どっか抜けてるみたいでな、あのオッサン。ボーっとしてると家を突き破って来るんだよ。これはそのための配置で、“ギルダーツ・シフト”っていうんだ」
グレイの説明で、納得……できる訳なかった。
「は!? どんだけ抜けてるんだ、そのオッサンは!?」
「まさか街を割って対処するとは……」
エルザと話し込んでいると、足音が響き、中年の男がギルドに入ってきた。
「あれが……」
「? どうした、ワタル?」
「エルザは感じないのか?」
「あ、ああ……そんなに、なのか?」
「ああ、これは……駄目だな」
その男を目にした瞬間、鳥肌が立ち、これは勝てない、と本能で感じて無意識で後ずさってしまった。
それほどまでに、その男、ギルダーツ・クライヴの存在感と内包する魔力は凄まじく、未熟だった俺でも感じ取れるほどに強烈だった。
「ふう……。よう、帰ったぞ、お前ら」
「「「お帰り、ギルダーツ!!」」」
ギルダーツが笑顔で帰郷を告げると、ギルドの全員が彼に挨拶した。
それだけで、彼がギルドのみんなに慕われているのが分かり、俺もようやく鳥肌を抑える事ができた。
「一年半ぶりか……よく帰ったな、ギルダーツ。……首尾は?」
「ああ、マスター。上々だよ……ただいま」
「ふむ、よくやったな……新参者もいる。……ほら、挨拶せぃ」
マスターに言われて、俺とエルザはギルダー
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