第一章 無印編
第十二話 『核の暴走』
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一人で全部直しちゃうからちょっと頑張りすぎってところがあるわ。
それになんでも普通の人より出来ちゃう分、あまり人に頼ろうとしないところとかない? 自覚ある?」
「…はい、あります」
思い当たるところを盛大にアリサは指摘してくれた。
なんかアリサがリンにかぶるなぁ…。これでうっかりのスキルがあったなら性格共に金髪だからルヴィアね。
なのはは「ブラウニーってなに…?」とすずかに聞いている。
それにすずかは純粋な笑みを浮かべながら、
「ブラウニーっていうのは家主の寝ている間に無償で勝手に家事をしてくれる妖精さんの事だよ」
「あ、そうなんだ。確かにそう言われるとシホちゃんのイメージにピッタリかも」
グサッ!
無垢な一言は時にして心を鋭利な刃物のごとく突き刺し抉り出す。
そしてそんな猫のような人懐こい表情で納得されると胸が痛い…。
私としては不本意極まりないのにそんな表情をされると結構来るわね。
体は剣で出来ている。でも心は硝子…。だから砕けないか心配です。
過去、学生時代もブラウニーはあったけどやっぱりやりすぎているのかな?
『いいかげん自覚しろ…』
ええいっ、うるさい!
なんかリンっぽいものが葉巻を咥えながら車に乗って私の頭を過ぎったようなイメージがふってきたけどすぐに振り払った。
…そして放課後、
アリサとすずかと別れて二人で下校中。
「ねぇ、なのは」
「…うん? なに、シホちゃん」
「いや、昨晩の話じゃないけど…なのはも結構悩み、かかえているでしょ?」
「…うん」
「大方フェイトの事なんでしょ? やっぱり戦いはしたくない?」
なのはは無言。予感は的中か…。
「やっぱりね。ね、なにも争い事だけが戦いじゃないでしょ?」
「えっ…?」
「…今まで戦いだけに身を投じてきた私が言えた義理じゃないけど、なのはのフェイトに『お話をしたい、理由を聞きたい』っていう語りかけもきっと一つの戦い…。
だからなのはは諦めたくないんでしょ…?」
「うん…、フェイトちゃんとしっかりとお話をしたい。分かち合いたい…」
「それならそれを貫き通せばいい。甘い考えかもしれないけどそれもれっきとした戦いの一つでもあるわ」
「そう、かな…?」
「ええ。それでも聞いてもらえなかったらさらに考えて、考えて努力すれば、もしくは…」
…そう、しっかりと話を聞いてあげられれば私のようにはきっとならない。
そもそも私は話を聞こうともしなかった…。
本当に反面教師ね…考える余裕が出てくるといつも自身のあり方はなんだったのかと自問する。
それでも一つ分かることはなのは…そしてフェイトにもだけど己と同じ間違いを犯してほしくない。
「うん! 私、頑張るね!」
「元気が出たみたいね
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