第二十一話〜すれ違い〜
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に到着するとそこにあるのは廃棄都市。もちろんそれは本物ではなく機動六課が保有する空間投影シミュレーションである。
ライはその廃棄都市の中にあるビルの一つに入っていく。そしてそのビルの屋上に向かうとそこにいるのはヴィータ、エリオ、キャロ、フェイトの4人。4人は今現在行われているなのはを相手にするスバルとティアナの模擬戦を見ている。
しかしそこでライは気付く。フェイトとヴィータの2人がしきりに首を捻っているのだ。不審に思ったライも2人の視線の先で繰り広げられている模擬戦を見る。
そこにあったのはいつも訓練で行われている安定性のある戦術ではなかった。我が身を顧みずに敵を倒すことだけを考えている戦術。それをスバルとティアナの2人はその危険性に気付いた素振りも見せずに使っていた。
それを確認したライは2人が首を捻っていることに合点がいった。ライが納得している間も状況は進んでいく。
スバルがウイングロードの上でなのはを攻撃し、くい止めている間にフェイクシルエットを使いなのはの頭上に回り込み、近接攻撃を行おうとするティアナ。
ライ(兵士としての戦術としては正解だ。だけど……)
クロスミラージュの銃身に魔力刃を展開しなのはに向けて一直線に突っ込んでいく。ティアナの攻撃がなのはに当たるか当たらないかというところでその言葉がライの耳に届く。
なのは「レイジングハート、モード・リリース。」
静かに、だがしっかりと紡がれた言葉の後にティアナの攻撃が当たり、爆発する。瞬間的に舞い上がった煙が晴れると、そこには素手でティアナの攻撃を受け止めているなのはの姿があった。モード・リリースされたレイジングハートはいつもの首飾りに戻りなのはの首にかかっている。
なのは「おかしいな? 二人とも、どうしちゃったのかな?」
弱々しくではあるがなのはは言葉を重ねていく。
なのは「頑張ってるのは分るけど……模擬戦は喧嘩じゃないんだよ?練習の時だけ私の言うこと聞いて、本番でこんな真似してたら……練習の意味、ないじゃない?」
ティアナは自分の間違いに気付いているのか、なのはの顔を見ることができない。その代わりに見えたのが攻撃を受け止めたなのはの手。そこからは少しではない量の血が流れていた。自分がその原因を作ったことへの恐怖からティアナは体を震わせる。
正常な判断が下せないティアナにさらになのはの言葉がかけられる。
なのは「だからさ……練習どおりやろう?ねえ?それとも私の訓練、間違ってるかな……?」
その言葉を聞いた瞬間、ティアナはなのはから距離をとる。そして自分の中で纏まらない思考の中で必死に自分の言葉を叫ぶ。
ティアナ「私は!私はもう…何もなくしたくないから!傷つけたくないから!!」
それは絞り出すような声
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