第5話 紅き瞳
[6/6]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
と指定された神性を帯びる存在でも有るはず。そんな、俺……龍種の呼び掛けを、恵比須神が聞き遂げないはずはないのですが……。
「これは、想定していた中では一番厄介な事態の可能性が出て来たと言う事か……」
真っ直ぐに俺を見つめる長門。彼女の発して居る雰囲気は疑問。成るほど。現在の状況では、流石に訳が判らない、と言う事ですか。
そう思い、説明を開始する俺。そして、
「今、俺が唱えた呪文は、土地神を召喚するのに必要な呪文。しかし、ここの神社の祭神たる恵比須神が顕われる事は無かった。其処までは理解出来たかな」
一応、最初にそう聞いて置く俺。その俺の問いに対して、それまでと同じ透明な表情を浮かべたまま、彼女はコクリとひとつ首肯いた。
うむ。それに彼女の発して居る雰囲気も、疑問の色を浮かべる事は有りませんので、ここまでの説明に関しては、問題はないでしょう。
「この場合の可能性としては三つ。俺の呼び掛けが、ここの神社に祭られている祭神に届かなかった可能性。もうひとつは、この神社に、元から祭神が居なかった可能性」
但し、同時にこのふたつの可能性については非常に低いとも思っているのですが。そもそも、恵比須神に俺の呼び掛けが届かない可能性は低いでしょう。次に、もうひとつの方。ここの神社が空き家の可能性は更に低いですし、仮に恵比須神が居なかったとしても、傍には豊玉姫。つまり、乙姫様が祭られている神社が存在しています。
そして、俺が呼び出そうとしたのは恵比須神限定の術では有りませんでした。近隣に存在する土地神の内、呼び掛けに答えてくれる相手を呼び出す種類の術でしたから。
近隣の土地神すべてが俺の呼び掛けに答えない。この異常事態の答えは……。
「最後の可能性は、今、何が起きているのか判らないけど、土地神を倒すか、封じる事の出来る存在が関わった事件が起きている、と言う可能性が有ると言う事」
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ